市職労から、職組への「公開質問書」

自治労座間市職員組合 執行委員長 平賀正直殿

自治労連座間市職員労働組合 執行委員長  笠 間  栄

 貴組合元役員の管理職職員の脱税幇助と「闘争活動資金」との関連等について(公開質問書)

 このことについて、新聞報道や市当局の市議会への報告などによれば、貴組合の執行委員長を務めた保健福祉部管理職職員(以下、「当該管理職職員」という。)が、福祉年金受給者の名簿を使って架空の人件費計上のための領収書を作成し、市内農業A氏の「脱税」を手助けしました。そして脱税幇助の原因は当該管理職職員が貴組合の役員をしているとき、市内農業A氏から「組織拡大の闘争活動資金の名目で3,000万円を借りるなど世話になっていた」からで「組織を守るために断れなかった」というものです。

 事実、貴職と当該管理職職員等が借受人となっている平成7年1月9日付の3,100万円の「借用書」の存在が明らかになっています。  当該管理職職員が市民の個人情報を使い違法な「脱税」に関与したことは、市民の信頼を裏切り、市職員の信用を大きく失墜させる許せない行為です。そして組合活動に絡んだ脱税という点で、社会的存在である労働組合全体に対する背信行為でもあります。

 市職労は、市民の信頼を回復するためには、一刻も早い事実解明と厳正な対処が必要だと考えますが、貴組合は10月27日付「執行委員会の見解」を職員に配布し、今回の脱税事件とはいっさい関係ないと明言しました。  しかし、貴組合が「執行委員会の見解」を職員に配布した後、3,100万円の「借用書」に貴組合の公印が押されていたことが明らかになり、脱税幇助事件と貴組合の関連が新聞報道で繰り返し指摘されているにもかかわらず、貴職は現在まで約40日間この問題で沈黙を守ったままでいます。  貴組合事務所には、市内農業A氏が脱税で逮捕される前までひんぱんに出入りしていたこと。また、1999年1月24日に貴組合事務所が国税局に家宅捜索を受けたこと。さらに、11月28日の市議会総務常任委員会の参考人招致での貴職の発言についても周知の事実となっております。

 市職労は、こうしたことを踏まえ、当該管理職職員が市民の個人情報を使い脱税を手助けした重大さに鑑み、貴組合に対し次の公開質問を行いますので、2000年12月14日(木)までに文書をもって回答されるよう、よろしくお願いいたします。


1.市の管理職職員が市民の個人情報を使って脱税を手助けした今回の事件について当該自治体職員組合としてどのような見解をおもちか、明らかにされたい。

2.「執行委員会の見解」配布後、3,100万円の借用書の存在など、脱税と貴組合との関わりがある事実が次々と明らかになっているなか、貴組合としていっさい沈黙を続けているのは何故なのか、その理由について明らかにされたい。

3.当該管理職職員である貴組合の元執行委員長は、脱税に手を貸した原因について市内農業者Aから「組合の闘争活動資金として3,000万円を借りるなど世話になっていた」としています。  貴職と当該管理職職員が借受人となっている「借用書」の金額は3,100万円で、貴組合の公印が押印されており、また、借用目的は「自治労座間市職員組合における活動のための借受金として」とあります。  3,100万円はどのように組合活動で使われたのか、明らかにされたい。

4.3.について仮に組合として3,100万円を借用、使用していないとするならば、次のことを明らかにされたい。  「借用書」になぜ貴組合の公印が押印されているのか。  借用目的がなぜ「自治労座間市職員組合における活動のための借受金として」とされているのか。  当該管理職職員の「組合懇談会などの飲食代に使った」との発言、裁判の事実認定についてどのような見解をおもちか、明らかにされたい。

5.貴組合事務所に市内農業A氏が脱税で逮捕されるまで、昼夜ひんぱんに出入りしていました。市内農業A氏が貴組合事務所にひんぱんに出入りしていた理由について、明らかにされたい。

6.1999年1月24日、貴組合事務所は国税局に家宅捜索を受けました。その際、フロッピー、預金通帳、組合会計書類などが押収されています。組合事務所が家宅捜索されるという異常な事態に対し、どのような見解をおもちか、明らかにされたい。

7.市の管理職職員が市民の個人情報を使って違法な脱税を手助けしたことは市民の信頼を裏切り、市職員の信用を大きく失墜させる行為です。その原因が3,100万円の借用にあることが指摘されており、貴組合の責任が問われています。  つきましては、貴組合として、市民の信頼回復に向けた今後の取り組みについて、明らかにされたい。



コメント

 労働組合についてあまり知らない人も多いようですが、座間市の職員の中には2つの労働組合があります。  もとは「市職労」ひとつ(第1組合:自治労連座間市職員労働組合)でしたが、現在は分裂してできた「職組」(第2組合:自治労座間市職員組合)と2つになっています。

 今回の元職組役員の脱税関与、個人情報漏えい事件について、別の労働組合(自治労連座間市職員労働組合(市職労))から事実の解明を責任を持って進めるよい鵜も止める公開質問書が提起されましたが、「職組」は公開質問書を受け取らず、返答もしませんでした。

 市民からは、「職組」には自浄能力がないと見られています。