2014年9月21日発行 第177号

2014年度座間市議会第3回定例会


2013年度歳入歳出決算認定 2014年度補正予算案など26議案
 第3回定例市議会が8月28日から9月29日まで開催され、2013年度各会計歳入歳出決算認定案、2014年度一般会計補正予算案など26議案の審議と議会内の役職改選が行われます。
 党市議団は、提案された決算議案などに対する総括質疑を8月29日中沢議員が行い、市政全般に対する一般質問を守谷浩一、星野久美子、中沢邦雄の3人が揃って行いました。一般質問はこの3人を含め17人が行いました。
 以下3人の一般質問の通告項目を紹介します。

 ― 党市議3人の質問項目 ―
◇守谷浩一議員
 1.公共施設等の維持管理と更新について
 2.相武台東小学校南西側のマンション建設と座間市開発等事業指導要綱について
 3.リニア中央新幹線の環境影響評価書に係わる座間市の質問書と地下水への懸念
◇星野久美子議員
 1.高齢者福祉(介護保険制度を中心に)について
◇中沢邦雄議員
 1.基地行政について
 2.小規模企業振興基本法施工に伴う市内小規模企業振興策について
 3.圏央道開通と厚木パーキングエリアを利用した市内地上産業の振興について
 4.道路の環境改善・整備について

以上





オスプレイ厚木基地に飛来 大和、綾瀬両市長は中止を求める

 米海兵隊のMV22オスプレイが、7月15日、18日厚木基地に飛来し、8月18日〜25日まで1週間訓練のためと称して同基地に滞在しました。この飛来について、笠間綾瀬市長は「地元の意向を無視し極めて遺憾だ、オスプレイの飛来に反対」、大木大和市長は「市民の負担増加は認められない、飛来中止を」、黒岩知事は「多くの住民の不安が払拭されていない、国は丁寧な具体的説明を」と各首長が談話をマスコミに寄せています。

遠藤座間市長は容認姿勢

 遠藤座間市長は、8月22日の定例記者会見で「危険性を懸念される方々がいる、飛来訓練するなら、しっかり説明すべきだ」と。一方、オスプレイ配備については「オスプレイの事故率は一部の民間機より低く、離島防衛、災害派遣にも役立つ」と容認姿勢を打ち出した。

オスプレイは欠陥機 すでに16回の事故、38人死者

 米防衛省の専門家は、オスプレイには6つの欠陥がある、特に致命的なのは、飛行中にエンジンが停止した場合の自動回転機能(オートローテーション)を持っていないことだと指摘しています。オスプレイは米海兵隊の軍用機のため、前のヘリに比べ速度が2倍、積載量が3倍、航続距離が4倍などの機能が優先され、安全は二の次にされているのです。オスプレイは既に開発段階から今日まで16回の墜落などの事故を起こし、38人の死者を出しています。私は、6月議会の一般質問で、オスプレイの危険性を改めて指摘し、遠藤市長に認識を改めるよう求めました。

(中沢邦雄 記)




政務活動費 座間は年額19万8千円です

 兵庫県の野々村元県議(号泣県議)で話題になった地方議員の政務活動費。座間市は1人当たり月額1万6千5百円、年額で19万8千円です。しかもこれは議員個人には支給されず団・会派の活動に支給されます。党市議団は3人ですので年額59万4千円です。これは、年間4回発行の議会報告の新聞、毎月発行の議員団ニュース、ホームページ作成料の一部に充てています。因みに座間市議員の報酬は月額40万4千円で手取り38万2千円で、県下19市の中で下から3番目です。





<<よろず相談>>
○日 時 10月17日(金) 午前10時〜12時
○場 所 座間市役所6階 日本共産党控え室
お気軽にお出かけください。10月の担当は中沢議員です。




国の動きに注視し 利用しやすい公共施設を

 公共施設の維持管理等についてこれまでも議会で議論がされてきましたが、私は今回、国の動きと座間市の対応に注目しながら一般質問をしました。

◇人口減少社会から福祉切り下げや「新たな広域連携」の狙い

 本年5月8日、「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が、次のような発表をしました。地方からの人口流出が続くとすると、平成24年の合計特殊出生率の95%を占める若年女性(20〜39歳)が2040年までに5割以下に減少する市区町村は896(全体の49.8%)にのぼり、これらの市区町村は将来消滅の可能性がある、とのことです。
 日本創成会議とは、「日本独特の過剰な自前主義を捨て、国を開き、世界と共に発展していく国づくりを目指します」と謳っている組織です。人口減少社会をてこに、福祉切り下げや道州制などを維持する狙いがあると考えます。
 本年7月7日の第31次地方制度調査会第3回専門小委員会での配布資料「人口減少に関する参考資料」によれば、「新たな広域連携」ということがあり、「喫緊の課題である公共施設や介護保険施設のあり方等について連携を検討し、これを端緒として「連携協約」に基づく連携を推進」とあります。文化ホールや図書館や介護保険施設などを近隣住民で共有することを描いています。

◇住民サービスを低下させないことが第一

 国のこういった動きは、住民の声が提供主体の自治体に届きにくくなることが危惧され、住民サービスなどが後退しかねません。地方自治体の役割は施設を共有することでは十分に果たせないと考え、住民サービスを低下させないことが第一であり、施設の共有はやめるべきではないかと当局の見解を伺いました。特定政策推進室長から「今後、公共施設利活用指針を策定後、検討する」との答弁でした。
 現在、座間市では公共施設白書を2013年3月に完成、鉄筋コンクリートの施設を建築から60年後に建て替えをした場合の試算が示されています。座間小学校を建築から60年後に建て替え想定年は2024年です。今後は「公共施設利活用指針」の策定でパブリックコメント(意見公募)も予定されます。
 内閣改造で新たに掲げられた「地方創生」にも注視し、住民サービスを低下させず、利用しやすい公共施設を求めていきます。

(守谷浩一 記)






多くの問題点がある介護制度改定


 今定例会において、「高齢者福祉について」主に介護保険について一般質問をしました。
 「地域医療介護総合推進法」が本年4月に審議が開始され、5月15日には衆議院本会議で、6月18日には参議院本会議で、それぞれわずか一か月ほどの審議で可決されました。この「地域医療介護総合推進法」には大きな問題点がいくつかあります。
 (1)予防給付の見直しとして、介護予防サービス利用の6割を占める訪問介護、通所介護を予防給付から切り離し、市町村が実施する事業に移行させる。給付から外れることにより、現在の介護士、ホームヘルパーが行っている介護をボランティアやNPOに任せることになり、専門的なケアが受けられなくなる懸念があります。(2)特養の重点化として、2015年4月以降特別養護老人ホームへの入所が要介護認定3以上に限られます。特例として要介護1.2の人も入所できますが、要件は非常に限られます。これにより特養入所待機者は数字の上では減りますが、抜本的な解決にはなりません。また、宿泊環境の整っていない通所介護施設での宿泊、いわゆる「お泊りデイ」の問題も深刻になってきています。(3)一定以上の所得者」の利用者負担の見直しとして、「一定以上の所得者」の利用者を対象に利用料を現在の1割から2割に引きあげる、とされています。(4)補足給付要件見直しとして、特養などの施設入所の際に自己負担となる食費や住居費を補てんし低所得者の負担軽減を図っていた給付の要件を厳しく引きあげる、など、社会保障の充実とはかけ離れた内容になっています。
 この「推進法」について市長へ見解を求めたところ、「各自治体の準備体制の把握も充分でない中、少し拙速な判断ではないかとの印象を持っている。国は継続して市町村関係者に意見を聞くとのこと、伝えるべきことはしっかり伝え、国は責任を持って取り組んでもらいたいと考えているし、伝えていく」との答弁でした。
 また、介護職員の処遇改善も急務です。介護従事者は高齢者に寄り添い、尊厳ある生活を送っていただきたいと介護をしています。しかし、劣悪な労働条件・環境の中でそれができない。また、介護現場の離職率はとても高いのが現状です。国ができないならば、座間市独自の処遇改善の施術を行うべきだ、との観点から質問をしましたが、市としてはそのような考えはないようでした。しかし、新たな財政支援制度の基金が創設された中、介護従事者の確保については市として実施できる事業があれば積極的な活用をしていきたい、との当局からの答弁がありました。
 サービスをする側も受ける側も安心して、そして公平公正にこの制度が利用できるように、国が、市ができることをしていかなければいけないと強く考えます。

(星野久美子 記)