2015年12月22日発行 第192号

2015年座間市議会 第4回 定例会

2015年度座間市議会第4回定例会が11月27日から12月18日まで開催されました。 審議された議案は、15年度一般会計補正予算など27議案と陳情11件でした。党市議団は、提案された議案などに対する総括質疑と討論は中沢邦雄議員、市政全般に対する一般質問は星野久美子議員、守谷浩一議員が行い、市民要求の実現に努めました。

〈一般質問〉
 ◇星野久美子議員
  1.医療体制について
  2.市内在住の外国人への対応について

 ◇守谷浩一議員
  1.マイナンバー制度について
  2.労働問題に対する市の取り組みについて
  3.地域の生活環境改善について

〈総括質疑・討論〉
 ◇中沢邦雄議員
  総括質疑・討論で取り上げ、問題点を指摘し、反対討論を行ったのはマイナンバー制度と公共下水道の地方公営企業への移行について。




<<よろず相談>>
○日 時 1月22日(金) 午前10時〜12時
○場 所 座間市役所 6階 日本共産党控え室
お気軽におでかけください。1月の担当は中沢邦雄議員です。




公共下水道の公営企業化は
独立採算制による料金値上げになり反対

 座間市は来年4月1日から、下水道事業は地方公営企業法を全部適用し、地方公営企業会計基準を用いて事業を運営するとともに、水道事業と下水道事業の二つの事業を公営企業とし、組織としての自主性や企業会計による独立採算制をとる組織を新たに編成するとして、関係条例を提案してきました。また、水道事業と下水道事業の二つの事業を統括する公営企業管理者(常勤特別職)を設置し、その下に上下水道局を置く行政組織も提案されました。
 市長は、公営企業化する理由として、人口減少、少子高齢化、節水社会の実現で使用水量が減少し、事業収入が減少するなかで、上下水道施設の老朽化や耐震化事業の推進で多大な経費が必要になるので、公共下水道の事業の経営状況の明確性と透明性、企業の経済性を発揮して能率的、合理的は業務運営を行い、最小の経費で最良のサービスの提供を行い、公共の福祉の増進に資するためであると説明しています。
 党議員団はこの提案に反対しました。反対要旨は以下の通りです。
 水道・下水道という地方公営企業は地域住民にとって必需的な公的財・サービスを提供する重要な役割を持っています。独立採算のもとで企業としての経済性を強めれば、使用料金の値上げとなり、低所得層等に負担が重くのしかかることになります。

公営企業は独立採算制が経営原則

 地方公営企業を財政的に特徴づけるものは、何と言っても独立採算制を経営原則としていることです。我が国の独立採算制は、公企業が財政からの援助を受けずに独力で再生産活動を行うとこです。これは経営収支だけでなく資本収支も含めて採算性が求められることになり、実質的には一般の私企業の経営方法と同じになります。独立採算制の目的は、企業会計が一般会計への依存を遮断し、分離独立をはかることにあります。
 西欧諸国では、公共補助は資本費用には全額補助、経営費用にも一部補助がされているのに対し、日本では公共補助は経営費用に無くて資本費用に一部補助というのが一般的です。
 座間市では今後、上下水道施設の老朽化、耐震化のために施設の更新で、いわゆる資本費の増高が見込まれるということであれば、独立採算制のもとで一般会計の繰り入れが抑制され、さらなる料金の値上げになることは明らかであり、反対せざるをえません。(中沢邦雄 記)

 




マイナンバー制度は凍結・中止を

 日本国内に住民登録している人全員に12桁の番号を割り振り、国が情報を一元管理する「社会保障・税の共通番号制度」いわゆる「マイナンバー制度」が施行されました。一つの番号でいろいろな情報が集められるので、行政にとっては国民の所得、社会保障給付の状況を効率よく把握できて便利な制度といわれています。マイナンバー制度について一般質問で取り上げました。

◎市内の通知カードの配送状況を質問

 本年10月下旬から番号を国民に知らせる「通知カード」の郵送が始まっているわけですが、約5600万世帯すべてに書留を送ったことは、日本の郵便史上例がないと言われています。全国的には配達間違いなどの事故が相次いでいます。厳重管理が必要な個人のプライバシーを扱う仕組みなのに、始まったとたんにトラブル続きでは国民の不安は募るばかりです。市内の通知カードの配送状況を質問したところ、12月7日現在で120456人に届き、9264人に届かず、トラブルはとくにない、とのことでした

◎個人番号の提供を拒否しても罰則なし

 国から示される様式には番号を記載することになっていますが、役所の窓口でマイナンバーを利用するのを市民が拒否した場合にはどういう対応になるのか質問したところ、「法的に番号記載するよう説明しますが、それでも拒否する場合は空欄にして受理する」といった内容の答弁でした。なお職場でも個人番号の提供を拒否しても書類等を受理することが国税庁の通知で示されています。

イラスト ◎プライバシー侵害しないよう凍結・中止を

 マイナンバー制度というのは、政府側の給付削減の狙いや、税金徴収強化、財界の長年の要望が背景にあると考えられます。行政に所得などのプライバシーを把握され、社会保障の抑制につながりかねない大きな問題だといわれているため、日本共産党はマイナンバー制度の凍結・中止を求める立場です。今後も、マイナンバー制度について不安や疑問等がありましたら、党市議団までお寄せください。(守谷浩一 記)




真の国際交流を草の根から

市内在住の外国人への対応について一般質問
 現在日本ではかつてないほどの国際化が進んでいます。人口に占める外国籍人の割合は、国、県を通じ、約2%にも上っています。みなそれぞれ何らかの理由で来日をし、日本という国に魅力を感じ暮らしています。
 私も公私を違わず外国籍を持つ方々のお手伝いをさせていただく機会がたくさんあります。座間市在住の外国籍人について、質問をしたところ、2015年10月末の時点で総人口128,975人の内、外国籍人は2,445人で、1.89%、ということでした。61か国の方々が本市で暮らしており、人数の多い順に中国(586人)、フィリピン(392人)、韓国(276人)、ベトナム、ペルーと続きます。逆に、市内で同じ国籍を持つ人がいないのは、アゼルバイジャンやスイス、ケニア、モーリシャス、バハマ等21か国になるそうです。そのような方々が困ったときの窓口は、市民協同課になるそうです。また、小・中学校に通う外国籍の児童・生徒は、小学校85人、中学校35人で、市内17校すべての小・中学校に在籍しており、家庭訪問や面談など、保護者とのコミュニケーションに関しては13名のボランティアの方々が20年来携わってくださっているそうです。また、自治会加入については、単位自治会に任せているが、最近英語のパンフレットを作成したということでした。
 福岡県行橋市議からの陳情
 そんな中、今定例会では「外国人の扶養控除の見直しを求める意見書」が賛成多数で採択されました。共産党、ネット、無会は反対でした。これは、他市の議員から提出された陳情が基になっています。「外国人は国外に扶養家族が大人数いる。調べることが難しいので、国外扶養親族への控除は廃止すべき」という内容です。不正行為は正さなければいけませんが、不正を行うのは外国人も日本人も同じです。ことさらに「外国人」とするところに疑問を感じます。
 国籍の枠を超えて
 今、世界ではテロ行為、それに対する報復の空爆など、争いが絶え間なく続いています。国レベルの国際紛争は私たちにはどうすることもできない場合が殆どです。しかし、近くにくらす外国人と草の根レベルで交流を続け、相互理解を深めることは、国際平和への小さいけれども確実な一歩になると考えます。私たちもひとたび日本から出れば「外国人」になります。他国の方、制度に助けられることがあるかもしれません。自国、外国の枠を超え、「人」として、考え行動したいと、強く思います。(星野久美子 記)



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