2016年6月21日発行 第198号

2016年座間市議会 第2回 定例会

 2016年度座間市議会第2回定例会が5月27日から6月21日までの会期で開催されました。審議された議案は、16年度一般会計補 正予算(第1号)など13議案、報告4件、請願、陳情7件でした。党市議団は、提案された議案などに対する総括質疑は守谷浩一議員、討論は中沢邦雄議員、市政全般に対する一般質問は星野久美子議員、守谷浩一議員、中沢邦雄議員の3人が揃って行い、市民要求の実現に努めました。

〈一般質問〉
 ◇星野久美子議員
  1.子どもの貧困問題について
  2.入谷駅周辺における夜間の歩行者等の安全対策について
 ◇守谷浩一議員
  1.基地行政について
  2.中小企業の支援について
   (1)店舗リニューアル助成事業について
   (2)小規模企業振興基本計画について
  3.生活環境の改善について
 ◇中沢邦雄議員
  1.熊本地震の教訓を生かした地震防災対策について
  2.教育問題について
  3.座間総合病院の役割と利用者の交通の便について




<<よろず相談>>
○ 日 時 7月15日(金) 午前10時〜12時
○ 場 所 座間市役所 6階 日本共産党控え室
お気軽におでかけください。7月の担当は中沢邦雄議員です。



熊本地震の教訓を生かした地震防災対策について

 熊本地震は、熊本県を中心とした地震活動が長期化し、6月に入っても続いており、被害が広がっています。繰り返した強震による建物の倒破壊、救援物資の不足、給付網の寸断などが起き、これまでの地震対策に死角が多いことが浮き彫りになりました。
 熊本地震の特徴は、1995年の阪神大震災と同様、活断層がずれて起きているが、阪神と違うのは、熊本から大分に延びる「活断層集中帯」で起きていることだと言われています。そして、同じ場所で震度7以上が2度繰り返し起こったこと、2県にまたがるなど広い範囲に地震が連鎖したこと、地震・余震がこれほど長く続いていることなどは、地震観測史上初めてと言われています。

避難・避難所問題
 熊本地震で途切れなく続く余震に避難生活が長期化しています。
 熊本県では一時期10万人近い人が避難生活を送り、6月に入った現在でも8千人を超える人が避難生活を余儀なくされています。長引く避難・避難所生活で見えてきた問題点を見てみます。
 (1)食事の問題
 熊本では地震発生から1ヵ月過ぎた5月末でもパンやカップ麺しか提供されず、飲料水はペットボトルが1日1本だけという状態が続いています。避難所の食事は災害救助法に基づき提供されます。国が定める食費の基準額は一人当たり1日3食で1500円以内に引き上げたこともありますので改善をするよう国に要求していくことが大事です。
 (2)被災者の健康管理に万全を期すこと
 熊本地震によって家屋の倒壊などによる直接死者は49人、エコノミー症候群(肺塞栓症)などによる関連死は20人です。この病気は長く同じ姿勢で運動せず、トイレなどが気になって水分をとらないことなどによると言われています。
 また、避難所でのゴミ、トイレ、入浴など衛生上の問題でのインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症対策、震災後のストレスや疲労などに対する心のケアが大事だと言われています。被災者の健康管理のためには、医療機関と関係者の避難所への配置がどうしても必要です。
 (3)座間市で教訓を生かす
 座間市では避難所を最大で28ヶ所、2次避難所(福祉)6ヶ所を設けることにしているが、食糧の提供や医療機関の配置について日頃から検討しておくことが必要なこと。災害時の食糧や物資の供給体制、災害ボランティアの役割と活用など熊本の教訓を生かすことの重要性を質問で取り上げ訴えました。

 (中沢邦雄 記)




子どもの貧困問題解決は喫緊の課題

 2016年第二回定例会において、子どもの貧困について一般質問を行いました。
◆現在の子どもがおかれている状況
 貧困率とは可処分所得(労働の対価として得た給与やボーナスなどの個人所得から、支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた、残りの手取り収入のこと)の中央値の半分の額に当たる「貧困線」(2012年は122万円)に満たない世帯の割合を示します。厚生労働省の調査によれば、1985年に10.9%だった子どもの貧困率は年々増え、2012年には16.3%にまで増加しました。子どもの6人に1人が貧困の中におり、ひとり親世帯の貧困率は54.6%にものぼっています。実に2人に1人の子どもが苦しい生活の中にあり、OECD加盟国(34か国)の中で最低です。
◆子どもは私たちの宝
 2014年8月「こどもの貧困対策に関する大綱」が閣議決定され、サブタイトルは「すべての子どもたちが夢と希望をもって 成長していける社会の実現をめざして」というものです。そして「子どもの貧困対策の意義と大綱の策定」では「日本の将来を担う子供たちは国の一番の宝である。貧困は、子供たちの生 活や成長に様々な影響を及ぼすが、その責任は子供たちにはない。 子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、 また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう…」と記されています。全ての子ども達にこの理念が行き渡るように各自治体は努力をしていかなければいけません。
◆実態の調査と支援の拡充を
 そこで、私たちが暮らすここ座間市の子どもの現状がどうなっているのかを知るために実態調査をするべきだと質しました。国・県の調査も必要ですが、きめ細やかな対応をするためには市独自の調査が必要だと考えるからです。しかし、当局からの答弁は、「本市の子どもの貧困については把握していない。実態調査も考えていない。調査はより広い範囲でするべき。国・県を注視していく。」というものでした。
 貧困世帯を「食」で支える活動として、私財を使って「こども食堂」を運営している方がいることを紹介し、市からの支援を、と求めましたが「支援は今後研究していく」との答弁に留まっています。
 学用品や給食費などのサポートを受けることができる就学援助制度の年度最初の支給は現在8月ですが、早めるようにと求めました。
 未来を担っていく子ども達が、安心して良い環境で学び、暮らしていかれるようにするのは私たち大人の責任です。これからも粘り強く改善を求めていきます。

(星野久美子 記)




「店舗リニューアル助成事業」で地域経済活性化を

 大企業の内部留保は300兆円を超える一方、中小企業は大変なところがほとんどです。本年6月6日、中小企業への支援について一般質問を行いました。

○全国55もの自治体で「店舗リニューアル助成事業」を実施
 昨年6月議会で私は、座間市の地域経済の活性化と中小零細業者への支援として「商店版リフォーム助成制度」(全国的に通っている名称は店舗リニューアル助成事業)の創設を求めました。群馬県高崎市や高知県で実施済みで、小売業や飲食業などを営む店舗で、市内の施工業者の利用や市内業者からの備品購入を要件に、店舗改装費・備品購入費用の半額を補助するというものです。商店街関係者から「画期的な制度」と歓迎の声があがり、住民からも「お店の魅力が向上した」と大変好評です。2015年度中に同事業を実施した市町村は、全国55自治体もあります。

○地元での消費が増える好循環、県内で初の実現の兆し
 一般的に単価たたきやピンハネにより、下請けでは公共工事の設計労務単価の6割程度の賃金とも聞きますが、こういった事業で小規模建設業者が直接受注できることになれば賃金も上がり、地元での消費が増える好循環が生まれます。店舗リニューアル助成事業の創設を座間でも求めたところ「来年度から実施する考え」との答弁がありました。神奈川県内ではまだどこも実施されていませんので、実現すればおそらく県内で初となります。

○小規模企業振興基本法にもとづいて支援策の発展を
 2014年6月27日に施行された小規模企業振興基本法は、従業員20人以下の小規模企業が地域経済と雇用確保に大きな役割を果たしていることに着目し、小規模企業を支援する施策を定めた法律です。同法第7条で、小規模企業の振興にかんし、国との適切な役割分担をふまえて、自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定、実施と、地域住民の理解を深めるよう努めることを地方公共団体の責務としています。
 座間市では、本年3月まで市の特産品をネットで販売促進するため『おいしい座間 ザ・マイスター』という冊子を発行し、市内11の名職人と特産品を紹介しています。私は質問の中でこういった事業を評価し、小規模企業振興基本法にもとづき、市内中小企業への支援策の発展を求めました。

(守谷浩一 記)



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