2016年12月21日発行 第202号


2016年座間市議会 第4回 定例会

市長・市議会議員選挙後初の、16年度座間市議会第2回定例会が11月25日から12月19日までの会期で開催されました。 審議された議案は、16年度一般会計補正予算(第5号)など26議案、陳情10件でした。党市議団は、提案された議案などに対する総括質疑と討論は守谷浩一議員、市政全般に対する一般質問は星野議員、中沢議員、守谷議員の3人が揃って行い、市民要求の実現に努めました。

〈一般質問〉(質問項目)
 ◇星野久美子議員
  1.地域包括ケアシステムについて
   (1)介護予防・生活支援の今後について
   (2)誰もが安心できる介護の仕組みを
  2.子どもの貧困対策について
 ◇中沢邦雄議員
  1.座間市の人口減少とその対策について  
  2.在日米軍基地「キャンプ座間」と「厚木基地」に関わる問題について
 ◇守谷浩一議員
  1.第四次座間市総合計画と座間市総合戦略について
  2.座間市独自の奨学金等の制度創設について




<<よろず相談>>
○日 時 1月13日(金)午前10時〜12時
○場 所 座間市役所 6階 日本共産党控え室
お気軽にお出かけください。1月の担当は中沢邦雄議員です。



座間市の人口減少とその対策について

 総務省が発表した今年の1月1日現在の国内に住む日本人の人口は1億2589万1742人で、前年から27万1834人減っている。日本人の出生数が101万46人と前年より6492人増えたのに、死亡者数は129万6144人と前年より2万5883人増えたため、出生数より増えたため人口減になっています。

座間市の人口減少は自然減
 5年に1度実施される国勢調査が2015年9月に実施され、それにもとづく座間市と周辺5市の人口と世帯数を2010(H22)年と2015(H27)年と比較してみると、座間市は人口が12万8737人で669人減少しているのに、相模原市3236人、厚木市1294人、大和市4736人、海老名市2483人、綾瀬市1293人と各々が増えています。
 座間市の世帯数は5万5910世帯で1933世帯増加している。座間市の人口減少の内容を詳しく分析するために、2014(H26)年の1年間の人口動態から座間市と周辺4市との違いを見てみます。この年1年間で座間市は565人人口が減少しています。その内容は出生数より死亡者数が多い自然減116人、転入者より転出者が多い社会減が449人となっています。海老名市は自然増213人、社会増39人で213人増。大和市は自然増337人、社会増231人で568人増加。厚木市は自然増68人、社会増45人で113人増加。綾瀬市は自然増69人、社会増9人で78人増加。以上で分かることは、周辺4市の人口増の要員が自然増であるのに対して、座間市の人口減の要員は自然減の数字が大きいということです。

中学生までの医療費助成と中学校給食の実施を
 それではなぜ同じ県央地区にありながら人口が座間市は自然減であるのに、周辺4市は自然増であるのか、その違いは子育て層世帯が座間市は減って、周辺4市は増えているのではないかと考えられます。考えられる理由の一つに、小児医療費助成制度の違いがあります。座間市は所得制限付き小学校6年生までですが、大和市、海老名市、厚木市は中学校3年生まで、綾瀬市は小学校6年生までだが所得制限は無いこと。もう一つの違いは、中学校給食の実施の違いです。座間市は小学校のみで、中学校給食はデリバリー方式で来年の2学期から始められようとしているのに対して、周辺4市は既に実施済みです。
 子育てしやすいかどうかは、口コミで伝わると言われていますので、座間市の人口減の原因が小児医療費助成と中学校給食の実施にあると考えられるので、質問を通じて、遠藤市長に対して中学校3年生までの小児医療費助成と中学校給食の実施を強く求めました。(中沢邦雄 記)




子どもの貧困問題の解決をいそげ

●第四回定例会において、子どもの貧困問題対策について一般質問をしました
 2012年政府発表の子どもの貧困率は16.3%、ひとり親家庭の貧困率は54.6%になっています。本年4月14日、国連児童基金(ユニセフ)は「貧困層の子供は標準的な子供と比べてどれぐらい厳しい状況にあるのかという格差を分析したところ、日本は先進41カ国のなかで下から8番目だった。」と日本の子どもの貧困問題が深刻であることを報告しています。この間政府は2013年、「子どもの貧困対策法」を制定し、2014年には具体的な対策を示した「子どもの貧困対策に関する大綱」を決定しました。しかし、児童扶養手当の一定の増額などはありますが、抜本的な政策は見えてきていません。また「子どもの未来応援国民運動」としてプロジェクトを立ち上げその中で「子どもの未来応援基金」として寄付を、個人・企業から募っています。しかし、何故「寄付」なのでしょうか。日本の未来を担っていく子どもや若者の生活をささえていくのは「民間からの寄付」ではなく国として、政治が行っていかなければいけないのではないでしょうか。

イラスト●子どもの貧困問題放置は大きな経済損失
 日本財団による試算では、現在15歳の子ども約120万人のうち、生活保護世帯、児童養護施設、ひとり親家庭の子ども約18万人だけでも経済損失は約2.9兆円に達し、政府の財政負担は1.1兆円増加するという内容で、子どもの貧困問題を放置することは大きな問題であるとしています。

●座間市はどう対応していくのか
 こうした問題を受け座間市当局は、子どもの貧困問題をどうとらえているのか、また、本市の現状はどうなっているのか、実態調査をするべきではないのか質しました。また、生活困窮家庭の子どもと保護者を助ける就学援助金の第一回目の支給を、現在の8月ではなく、入学・進学前に間に合うように4月以前に前倒しして支給するよう求めました。とりわけ、中学校入学時には制服や体操服の準備でお金がかかります。また、近隣の海老名市や大和市でも「入学準備金」として中学校入学前の12月及び1月に支給が決定していることから、座間市でも同様の制度を作るよう求めました。当局からの答弁は、「就学援助金に関しては29年度のシステムの入れ替えに伴い、少しでも早い時期に受給者認定ができるよう努力します」というものでした。また、「子どもの貧困に関する実態調査は県が行っているニーズ調査がある」というもので、必要な支援をきめ細かく届けよう、といった気概は全く感じられない内容の答弁でした。子どもの貧困問題は保護者の貧困でもあります。格差と貧困が大きく広がっている中、自治体の責任としてこの問題を解決していくよう、これからも求めていきます。【星野久美子 記】




給付型奨学金制度や奨学金返還支援制度を

 本年12月6日、座間市独自の奨学金等(給付型奨学金や奨学金返還支援)の制度創設について一般質問を行いました。

○日本は世界的にも高い学費でありながら給付型奨学金制度のない特異な国
 日本は、世界的にも高い学費でありながら給付型奨学金制度もないという特異な国になっています。かつては育英会の奨学金には教育の職に就いた場合に返済しなくてよい制度がありましたが、現在は返済する貸与型になっています。学生が平均で300万円もの奨学金という名の借金を背負わされ人生の門出をスタートしなければならないというのは異常な事態であり、現在の高等教育の学費の高さと給付型奨学金の必要性について当局の見解を伺いました。教育部長の答弁では、「フランスやドイツに比べると学費は高いが、国の給付型奨学金への動きを注視する」とのこと。学費の高さの認識は一致しましたが、国の制度設計では、ほとんど対象にならず自治体独自の対応も必要です。

○地方創生の観点からも奨学金返還支援制度を
イラスト 続いて、2014年12月の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、「奨学金を活用した大学生等の地元定着や地方公共団体と大学等との連携による雇用創出・若者定着に向けた取組等を推進」とあり、奨学金返還を支援する制度が全国いくつかの自治体で始まっていることを紹介。地方創生の観点からも奨学金返還支援制度の事例についての見解を伺いました。答弁では、「地方の取組みの一つととらえ座間市においては研究が必要」といった内容でしたが財源として地方創生推進交付金があると示しながら事例研究を求めました。

○高校生向け給付型奨学金をぜひとも
 隣の綾瀬市では、経済的理由により高等学校等での修学が困難な方を対象に給付型奨学金制度があります。支給金額は、国公立の高等学校等は月額5,000円で、私立の高等学校等は月額10,000円となっています。担当は、綾瀬市教育委員会教育総務部学校教育課とのことです。座間市でも綾瀬市のような高校生向け給付制奨学金を実現すべきと求めました。答弁では座間市独自の奨学金制度の考えはないとのことでしたが、今後も、給付型奨学金や奨学金返還支援制度などを求めていきたいと思います。(守谷浩一 記)



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