2017年9月21日発行 第211号


2017年座間市議会 第3回 定例会

 17年度座間市議会第3回定例会が8月31日から9月29日までの会期で開催されました。 審議された議案は、16年度一般会計歳入歳出決算認定など15議案、陳情4件、報告でした。党市議団は、提案された議案などに対する総括質疑と討論は守谷浩一議員、市政全般に対する一般質問は中沢議員、星野議員、守谷議員の3人が揃って行い、市民要求の実現に努めました。

〈一般質問〉質問項目

◇中沢邦雄議員
 1.介護保険改定と市の課題について
 2.子どもの貧困対策について
 3.障害者雇用率改善について
 4.子どもの貧困対策について
 5.市内の空き家対策について

◇星野久美子議員
 1.生活保護について
  (1)小田原市のいわゆる「ジャンバー」事件について
  (2)現在の座間市の状況について
  (3)生活保護のしおりについて
  (4)生活困窮者自立支援事業と生活保護について
 2.就学援助制度について
  (1)就学援助の支給について
  (2)入学準備金について
 3.皆が助け合える差別のない社会について

◇守谷浩一議員
 1.キャンプ座間の自衛隊共同使用に関する「覚書」の見直しについて
 2.「公共施設の使用料設定に当たっての基本方針」と各施設の使用料について




障害者雇用率改善について

 企業で働く障害者は、2016年時点で全国で約47万4千人に上り、13年連続で過去最高を更新し、雇用率は1.92%となっている。
 そして、法定雇用率2.0%を達成している企業は48.8%にとどまり、未達成の企業の内58.9%障害者を一人も雇用していない。厚生労働省は本年5月30日企業に義務づけている障害者の法定雇用率を、18年4月から現在の2%を2.4%に引き揚げることを決めました。その後、障害者の就労環境の整備状況を見つつ、20年度末までに2.3%にする計画です。そこで、来年度から全国の労働局に93人「就労コーディネーター」を配置し、相談に訪れる企業に助言する。そして、障害者が長く働ける環境を整備した中小企業に障害者一人当たり70万円、大企業には50万円を支給する。この事業を含む障害者雇用関連企業費として厚労省は来年度の概算要求として156億円組んでいる。

県内企業の現状は1.87%で全国平均を下回る

 県内企業の現状は16年6月1日現在で、1.87%の雇用率で、法定雇用率2.0%に届かない上、全国平均1.92%も下回るレベルに留まっています。中でも従業員50人〜300人未満の中小企業の雇用率は1.54%、未達成企業の約60%は障害者を一人も雇用していない状況です。神奈川県は15年7月に策定した総合計画の第2期実施計画に障害者雇用率の数値目標を明記している。それによると14年の1.75%を17年に2.0%、18年には2.07%へと引き上げる内容で、この県が掲げた目標達成に向けた取り組みが正念場を迎えている。

座間市内の障害者の雇用率について

 そこで、このような神奈川県の状況を踏まえて、座間市内の企業・事業所に於ける
障害者の雇用状況と雇用率、改善のための取り組みについて伺います。

 副支部長:「公表されている厚木公共職業安定所管内における本市の企業の障害者雇用率は、16年6月1日現在では1.72%であり、県平均よりもさらに低い状況でございます。現在障がい福祉課窓口に就労支援相談員を週3日配置し、来庁者の相談にあたっております。個々の課題を整理し、障害者総合支援法に基づく就労支援事業所の利用支援や障がい者の職業能力に応じた就労の場の確保と職場定着を支援する「県央地域就労援助センター「ぽむ」へつなぎ、協力しながら支援をおこなっております。座間市地域自立支援協議会の障がい者の就労支援を進めてまいります。 (中沢邦雄 記)




入学準備金は必要な時期に支給を

 座間市2017年第三回定例会において、就学援助に関わる入学準備金の入学前支給について質問しました。就学援助制度は生活に困っている世帯に学用品や給食費、修学旅行代金などを自治体が支給する制度です。その中に入学準備金があります。
◎金額が倍になりました
 入学準備金は、小学校、中学校入学時にランドセルや制服など進学時に必ず必要になるものを賄うために支給されるものです。今年度から金額が改定されて、小学校が20,470円から40,600円へ、中学校が23,550円から47,400円へと増額されました。多くの方からの増額を望む声を受け、日本共産党が国会で求め続けてきた要求が実現しました。また、要保護児童・生徒には、この準備金は入学する年度の開始前に国庫補助として支給がされるようになりました。
◎全国に広がる入学前支給
 要保護児童・生徒は入学準備金が適切な時期に支給されるようになりましたが、準要保護児童への入学準備金の支給は、座間市においては8月です。これは、申請を受けてから前年度所得の調査等に時間がかかるため、と当局は答弁を繰り返しています。しかし今、全国的に入学準備金を入学前に支給する自治体が増えてきています。来年度からの実施も加えると100を超える自治体が入学前支給を実施します。
 県内でも近隣の海老名・大和・綾瀬・相模原・厚木をはじめ、平塚、鎌倉などでも入学前支給が決定しています。
◎座間市でも今すぐ
 私は以前にも就学援助金の早期支給を求める一般質問を行っています。現在8月の一回目の支給は来年度にはひと月ほど改善されるかもしれないとのことですが、これはシステムが変わって事務手続きが早くなるということです。入学準備金の4月前支給に関しては、「国が要綱を変えなければ実施は難しい」という答弁でした。予算はどのくらい必要になるのか、との質問に対しては「試算をしていない」という答弁でした。しかし、他自治体にできて座間市が出来ない明確な理由についての答弁は得られませんでした。
 多くの保護者から入学前に支給をしてほしいという声が寄せられています。必要な援助が必要な時期に支給されることは当たり前のことではないでしょうか。
 他自治体のケースも学びつつ、これからも粘り強く「安心して学び、くらせる環境」をつくるために、入学準備金の4月前支給を求めて行きます。【星野久美子 記】




現在の公共施設使用料のままでやりくりを

 9月12日、「公共施設の使用料に当たっての基本方針」と各施設の使用料について一般質問を行いました。基本方針の「はじめに」にて「全ての建物を改修、更新した場合には、今後20年間で約300億円の新たな支出増になると想定」とあり、「基本方針を、受益者負担の原則に基づいて見直しをする」としています。
○職員給与と義務教育学校の維持修繕経費は除外すべき
 一方、地方財政法「第27条の4」では「市町村は、法令の規定に基づき当該市町村の負担に属するものとされている経費で政令で定めるものについて、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。」とあります。政令の地方財政法施行令「第52条」で、「一 市町村の職員の給与に要する経費。二 市町村立の小学校、中学校及び義務教育学校の建物の維持及び修繕に要する経費」となっています。
 使用料算出にあたっては、これらの経費は除外すべきと質問をしました。答弁では、使用料の算出式に地方財政法の施行令で示された経費を利用するが、経費そのものの使用料ではないから法に抵触しない、という旨の答弁でした。算出式に利用する時点で、抵触すると考えます。
 また、義務教育学校の更新等に要する経費は約280億2200万円であり、これを除くと128億4700万円との答弁でした。これは「300億円の新たな支出増」ということでの使用料改定の前提が崩れたと考えられます。さらに、学校の更新等では国から補助金があり、キャンプ座間と厚木基地関連で防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律による交付金もあるわけです。
○使用料値上げ反対、無料継続を求める声
 当局は、意見公募のパブリックコメントでは「使用料値上げ反対、無料継続を」の声が多かったのを認めつつ、15歳以上の1000人の市民を無作為抽出して実施した市民アンケートに345人が回答し、基本方針に賛成・おおむね賛成・やむを得ないとの回答が全体の71.3%を占めていることを答弁(内訳は右)。同時に、「使用料の徴収の有無についても、各施設所管課が設置目的等を勘案して、個別に判断をする」と答弁がありました。今後も、現在の使用料のままでやりくりするよう求めていきます。(守谷浩一 記)

本年3月27日〜4月17日実施
賛成15.4%
おおむね賛成25.4%
やむを得ない30.5%
わからない22.4%
やや反対1.7% 反対3.6%



<<よろず相談>>
○ 日 時 10月20日(金) 午前10時〜12時
○ 場 所 座間市役所 6階 日本共産党控え室
お気軽におでかけください。10月の担当は中沢邦雄議員です


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