2022年2月22日発行 第262号


「不断の努力」で憲法を護ろう

 2月19日に「座間・九条の会」が主催で行われた学習講演会に参加しました。講演の内容は「岸田首相の【敵基地攻撃論】は日本をどこに導くのか〜九条を守る運動をいっそう広めましょう」というもので、講師は横浜合同法律事務所・横浜弁護士会所属の高橋由美弁護士でした。

◎敵基地攻撃能力
 敵基地攻撃とは、弾道ミサイルの発射基地など、敵の基地を直接攻撃できる能力で、当然憲法9条とは相いれないものです。岸田政権以前の政府見解は「敵が攻撃に着手した後に反撃するもので、先制攻撃は含まない」とされてきました。あの安倍元首相でさえも2019年の衆議院本会議で、「敵基地攻撃能力を目的とした装備体系を整備することは考えていない」と答弁しています。

◎現政権が進めているもの
 しかし、岸田首相は2021年12月の所信表明演説で、北朝鮮や中国など周辺国のミサイル基地などを日本が直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を持つことを明らかにしました。また、「新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を、おおむね一年かけて策定する」といい、「憲法改正」を強調しました。
 更に岸田首相は、与党内からの「敵基地という言葉はふさわしくない、概念があいまいだ」という声を受け、名称変更も含めて検討する、としています。しかしこれは、原発の「汚染水⇒処理水」、「カジノ法⇒統合型リゾート(IR)実施法」と言い換えて、国民に目くらましする現政権の常套手段です。内容に変わりはないのです。
 敵基地攻撃能力の保有に一歩でも踏み出せば、歯止めのない軍拡競争、軍事対軍事の悪循環に陥ります。そして、本来国民の生活を支える予算も削られて行ってしまいます。

◎憲法を護れるのは国民だけ
 今、何よりもまず、平和憲法を護ることに心を向けていきましょう。憲法を護ることも、変えるのも、国民にしかできません。私たちは、「国民主権、戦争放棄、基本的人権の尊重」が記された日本国憲法を「不断の努力によって」守っていかなければいけない、と憲法12条に記されています。時の権力者から国民を守るためにつくられた現憲法が唯一国民に課していることです。ご一緒に力を合わせて、憲法を護る運動を広げていきましょう。【星野久美子 記】




国保税の未就学児の均等割半減・全体は値上げ

 今議会に国民健康保険税条例の一部改正案が出されています。
 内容は、@国全体で国保税の未就学児の均等割を半減、A課税限度額を99万円から102万円に、B座間市の国保税値上げ(表参照、括弧書きは現在との差)です。たとえば所得300万円世帯での国保税は年間約34万円に、年間2万円以上の負担増となります。党市議団は、子どもの均等割の廃止、国保税引き下げを求めていきます。

  所得割 均等割 平等割
医療分 6.10%
(+0.2)
24400円
(+2200円)
18400円
(ー1400円)
後期分 2.30%
(+0.2)
8400円
(+2000円)
6800円
(ー200円)
介護分 2.10%
(+0.4)
10100円
(+2700円)
6300円
(+100円)



賃上げ減税〜中小企業が適用されにくい

 2月2日、NPOかながわ総合政策研究センター(かながわ総研)による新年度国政予算学習会にオンライン参加しました。
 その中で政府の賃上げ減税の問題を学びました。賃上げした企業の法人税が減税されますが、2022年度税制改正には大幅な拡充があり、賃上げ率などに応じて大企業は最大で30%、中小企業は同40%の税額控除を受けられます。
 しかし、これまで大企業全体の15%が適用されているのに対して、中小企業は全体の3.5%しか適用されていません。そもそも赤字だと法人税を減税する余地がないので、中小企業の多くが赤字で、適用されにくいのです。
 加えて、大企業だと継続雇用者の3%賃上げが条件ですが、中小企業だと全雇用者の1.5%賃上げが条件となっています。賃上げ率だけみると大企業の方が高い条件ですが、継続雇用者ということで新入社員と定年退職者を除いての賃上げ対応であり、定期昇給込みの賃上げだけで条件を満たすように制度設計がされています。
 一方、中小企業は全雇用者を賃上げしなければ条件を満たしませんので、新入社員も賃上げもしなければならず、定期昇給だけでは賃上げ減税の対象になりません。このように中小企業が制度的にも賃上げ減税を受けにくい問題があります。
 賃上げ減税の問題は、形を変えた大企業優遇だと思いました。コロナ禍でも増加している大企業の内部留保を活用しての賃上げこそ行うべきです。【守谷浩一 記】



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