2月19日に「座間・九条の会」が主催で行われた学習講演会に参加しました。講演の内容は「岸田首相の【敵基地攻撃論】は日本をどこに導くのか〜九条を守る運動をいっそう広めましょう」というもので、講師は横浜合同法律事務所・横浜弁護士会所属の高橋由美弁護士でした。
◎敵基地攻撃能力
敵基地攻撃とは、弾道ミサイルの発射基地など、敵の基地を直接攻撃できる能力で、当然憲法9条とは相いれないものです。岸田政権以前の政府見解は「敵が攻撃に着手した後に反撃するもので、先制攻撃は含まない」とされてきました。あの安倍元首相でさえも2019年の衆議院本会議で、「敵基地攻撃能力を目的とした装備体系を整備することは考えていない」と答弁しています。
◎現政権が進めているもの
しかし、岸田首相は2021年12月の所信表明演説で、北朝鮮や中国など周辺国のミサイル基地などを日本が直接攻撃する「敵基地攻撃能力」を持つことを明らかにしました。また、「新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を、おおむね一年かけて策定する」といい、「憲法改正」を強調しました。
更に岸田首相は、与党内からの「敵基地という言葉はふさわしくない、概念があいまいだ」という声を受け、名称変更も含めて検討する、としています。しかしこれは、原発の「汚染水⇒処理水」、「カジノ法⇒統合型リゾート(IR)実施法」と言い換えて、国民に目くらましする現政権の常套手段です。内容に変わりはないのです。
敵基地攻撃能力の保有に一歩でも踏み出せば、歯止めのない軍拡競争、軍事対軍事の悪循環に陥ります。そして、本来国民の生活を支える予算も削られて行ってしまいます。
◎憲法を護れるのは国民だけ
今、何よりもまず、平和憲法を護ることに心を向けていきましょう。憲法を護ることも、変えるのも、国民にしかできません。私たちは、「国民主権、戦争放棄、基本的人権の尊重」が記された日本国憲法を「不断の努力によって」守っていかなければいけない、と憲法12条に記されています。時の権力者から国民を守るためにつくられた現憲法が唯一国民に課していることです。ご一緒に力を合わせて、憲法を護る運動を広げていきましょう。【星野久美子 記】
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