2010年4・5月 第216号 2010年第1回定例会報告特集


核密約問題等で申し入れ―党市議団 遠藤市長 加盟を表明 平和市長会議に

 日本共産党座間市議団は、3月24日、遠藤三紀夫座間市長に対して、核密約問題、ニューヨークで開催される核不拡散条約(NPT)再検討会議への座間からの参加者への協力、平和市長会議への参加等の申し入れを行いながら懇談しました。
 核密約問題では、政府が発表した「有識者委員会」の「報告書」についての、志位和夫委員長の党の見解表明が載った赤旗記事などを渡し、理解を求めました。市長は「勉強させていただきます」と快く資料を受け取りました。
 また、NPT再検討会議に座間から5人が参加するので、メッセージを託すなどの協力を要請したところ、「協力させていただきます」と応諾してくれました。
 平和市長会議への加盟については、加盟手続きをしていることを明らかにしました。懇談の中で市長は「昨年来日したオバマ米大統領の東京での会合に招待され、演説を聞いて非常に感銘を受けた。核兵器廃絶は唯一の被爆国として思想・信条の違いをこえて人道的にすすめていく必要がある。座間市原水爆禁止協議会を活用していきたい」と語りました。
 申し入れには、市民部の部長、次長、課長も同席しました。

核兵器廃絶・核密約廃棄の決議・意見書が全会一致採択

 3月26日の本会議で党市議団が提出した「核兵器の廃絶と恒久平和の実現を強く求める決議」と「核持ち込み密約を廃棄し非核三原則の遵守を強く求める意見書」が全会一致で可決されました。
 決議では、核抑止が、「核使用が前提となって初めて成り立つ論理である」、「核兵器の廃絶への最大の障害であり、国際社会がこの誤った考えから抜け出すことが求められている」と指摘しています。また、「座間市原水爆禁止協議会」を結成し、半世紀以上にわたって核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けて地道に根強く運動を展開してきた座間市として「核兵器の廃絶と恒久平和の実現を強く求める」としています。
 意見書では、「討論記録」が核持ち込みの密約だったことを否定する「有識者委員会」の報告書を、「歴史の悪質な偽造にほかならない」、「国民の平和と安全、日本の主権が深刻に脅かされ続けていることにほかならない」と指摘。核兵器廃絶平和都市宣言を行っている座間市として、核密約を廃棄するとともに非核三原則を遵守することを求めています。




党提案の意見書3本採択される

政治とカネ真相解明と責任の究明

 2月26日の本会議で、緊急性があるとして党市議団が提出した「「政治とカネ」の真相解明と政治的道義的責任の究明を強く求める意見書」が賛成多数で可決されました。明政会・市民連合は反対、市政クラブは退席しました。意見書では「鳩山首相の政治的道義的責任は重大」「小沢氏は不起訴だったが秘書との関係で政治的道義的責任が厳しく問われている」と指摘しています。

国保の国庫負担増・雇用保険の延長給付を

 3月26日の本会議で党市議団が提出した「国民健康保険に対する国庫負担の見直し・増額を求める意見書」が全会一致で可決されました。
 また、党市議団は「雇用保険の全国延長給付を強く求める意見書」も提出しましたが、共産・公明・市民連合は賛成、政和会・市政クラブ・ネット・明政会が反対したため、不採択となりました。
 深刻な雇用情勢の中で、09年末に雇用保険の失業給付が切れるのは百万人近く。雇用保険法第27条に規定される「基準」は閣議決定で変えられ、最大90日延長できます。昨年11月の政府の国会答弁によれば、失業給付の積立金が平成22年度末で4兆4千億円の見込みであることから、財政的な裏づけもあります。

 意見書では「国民健康保険は、健康で文化的な最低生活を保障する、憲法第二十五条を医療面で具体化」したものであると冒頭に謳っています。
 しかし現状では「所得の低い加入者が増えているのに、保険税が年々上がり支払い困難な世帯が増えている」とし、その原因は「医療費の増加とともに、国が国庫負担率を引き下げた」ことにあると指摘。国庫負担は、1984年までは、かかった医療費の45%だったが、それ以降はかかった医療費の38.5%に引き下げ、事務負担金の国庫補助も廃止。現在では市町村国保の総収入に占める割合は3割以下に減っていて座間市の場合20%となっている。国民健康保険を真に社会保障として存続させ、加入者が安心して、必要な医療が受けられるよう国庫負担を見直し増額するよう求めています。



日本共産党市議団

中澤 邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
広域大和斎場組合議員
都市計画審議会委員
柏木 育子

柏木いく子

企画総務常任委員
高座清掃施設組合議員
国保運営協議会委員
菊川 ユリ子

もりや浩一

保健福祉常任委員
基地対策特別委員
議会だより編集委員
市営住宅運営審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
なお、第四次座間市総合計画特別委員には全員が参加します。



第1回定例会概要

 第1回定例会は、2月25日から3月26日まで開かれました。議案は本年度予算で7件、条例改正が1件、補正予算が7件、専決処分が5件、道路の路線認定が9件のほか、請願と陳情を審議しました。
 日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を中沢議員が行いました。一般質問には3人全員が立ち、決議を1本、意見書4本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。
 ※ 議案の採決結果については市議会だより及び市議会HPでご覧ください。


基地返還予定地は無条件で市民の利用に
福祉施策の廃止・削減に反対

―反対討論の要旨―

 遠藤市長は、キャンプ座間への米陸軍第一軍団の前方司令部を容認した上で、相模原市の行政区内だとして海外派兵を専門とする陸上自衛隊中央即応集団司令部設置をも容認しています。しかし、星野前市政時代はキャンプ座間は一体のものとして、基地の強化・恒久化につながるとして反対してきたものです。
 さらに問題なのは、米陸軍新司令部設置にともなう市民の負担軽減の一環として返還される予定地5・4haの内、2・3haに陸上自衛隊の家族宿舎を建設することを容認した上で、市民に対する基地の負担軽減を求めるとしていることです。
 このことは、基地の全面返還を市是とし、基地の強化・恒久化に反対してきた、これまでの市の立場と矛盾するもので容認するわけにはいきません。
 5・4haの返還は、4年間に亘る市民ぐるみの反対運動の結果であり、市民に無条件で利用されるべきです。
 次に、これまで長い間利用され定着してきた福祉施策を、財政上問題があるとして、一気に廃止・削減を打ち出したことは問題です。廃止するのは、高齢者入浴券支給事業、高齢者はり・きゅう・マッサージ助成券支給事業、高齢者医療費助成事業です。削減するのは、福祉タクシー等事業、敬老祝金等支給事業です。
 以上が反対討論の要旨の一部です。これらの問題点を指摘し、予算案に反対しました。


平和への思いをアピール

 3月20日、党市議団は周辺市民連絡会の人たちと一緒に平和行動をしました。
 この行動は、03年3月20日に米英軍がイラク戦争を開始したことに抗議して、座間の市民が県立谷戸山公園に集まり、集会とデモ行進をおこなったのが始まりです。
 晴天のもと、午後1時に座間公園に集まり、基地をめぐる情勢報告、一言アピール、歌などを一緒に行いました。
 集会後はキャンプ座間正門前から座間市役所へとデモ行進をしました。デモ行進で、米軍新司令部はアメリカに帰れ!自衛隊中央即応集団司令部は来るな!自衛隊宿舎建設はいらない!基地を返せ!日本国憲法を守れ!軍事費は国民生活へまわせ!など、平和への思いをアピールしました。




一般質問

市独自の労働パンフを/青年への家賃補助を

もりや浩一議員

 成人式で労働に関するパンフレット配布が実現し、その配布結果と今後の対応を求めたところ「300部を配布して約150部の利用状況。市独自のパンフレットの対応を図る」と環境経済部長の答弁がありました。
 また、派遣切りの中で、仕事も住居も失う人たちが増加し、職につきたくても就けないでいる若者などへの支援が重要な課題で、ヨーロッパ諸国の家賃補助政策なども紹介して、若者などに対する家賃補助を求めました。
 その他、住宅リフォーム助成制度の創設、小規模工事の上限額引き上げ、中小零細企業融資制度の復活、平和市長会議への加盟、「核兵器のない世界を」署名に対する市の支援、相武台前駅周辺開発の問題解決などを求めました。



一般質問

コミセンに児童館機能の充実を

柏木いく子議員

 児童館が初めてコミセンに建て替えられると決まった時、子どもたちが自由に活動できる場所であり、学んだり、集うことを保障する児童館機能を残すと約束された。児童館が次々とコミセンに建て替えられている中、図書などは充実していても動的活動できる場所は卓球以外保障されてなく、児童館機能が弱まっている。一方コミセンは地域住民がさまざまな活動をする身近な施設として重要な施設でもある。動的活動の多い児童と静的活動の多い大人との住み分けをし、児童館機能を充実させるよう求めたところ、市長は「管理運営委員会等で取り上げ調整をお願いする」と答弁した。その他、介護保険制度や、子どもの医療費無料化制度、市営住宅の充実、学校図書や中学校給食などについて質問をした。



一般質問

公契約の改善を

中沢邦雄議員

公契約条例の制定を
 公契約条例は、市発注の公共工事や業務委託など公契約に携わる労働者に正当な賃金を支払わなければならないという条例です。
 現場労働者の労働条件の改善は公共サービスの質を高め、市民の安全・安心に直結するだけでなく、受託事業者の利潤も確保でき地域経済にも良い効果をもたらします。
 千葉県野田市で昨年、条例を制定しています。

基地対策について
 キャンプ座間の5・4haの用地は、市民の負担軽減につながるよう無条件で返還されなければならない。そのためには、市長としてしっかりとした基本方針をもつことの重要性を指摘しました。安保改定50周年の今年は、米国に隷属的・不平等な地位協定の改定を。