2010年7・8月 第217号 2010年第2回定例会報告特集


市民要求実現に意見書提案

 日本共産党市議団は、第2回定例市議会に4本の意見書を提案し、市民の意志・要求を国政に反映させるために取り組みました。
 緊急性があるということから、市議会初日の6月3日に提案した「国の口蹄疫対策の強化を緊急に求める意見書」は、政和会との共同提案となりましたが、全会一致で採択されました。6月28日の最終本会議に提案した「消費税増税に反対する意見書」「障害児・者の福祉・医療の緊急改善を求める意見書」は賛成多数で採択されましたが、「日米合意を撤回して普天間基地の無条件撤去を国に求める意見書」は賛成少数で否決されました。なお、可決された意見書は、菅首相をはじめ関係大臣にただちに送付されました。

消費税増税反対意見書採択

 党市議団が提案した消費税増税に反対する意見書は、賛成多数で採択されました。賛成は共産党など4会派12人、反対は政和会、市政クラブの10人でした。
 意見書は「消費税を10%に上げれば約12兆円の大増税、平均的な4人家族では約16万円もの負担増となる」「所得が減っている家計に10%の消費税をかければ耐えがたい痛みを広げ、冷え込んだ内需に壊滅的な打撃を与える」と指摘。「財界の要求に応じて大企業減税のために消費税を増税するやり方は、暮らしと経済を破壊するだけで財政再建にも社会保障の財源づくりにも役立たないことは明らかである」と述べています。

障害児・者の福祉・医療の緊急改善を求める意見書

 障害児・者の福祉・医療の緊急改善を求めた意見書は市政クラブを除き賛成多数で採択されました。
 意見書の内容は『内閣に設置された「障がい者制度改革推進会議」は、障害者が直接政府立案の作業に参加するという障害者施策史上初めての取り組みである上、この会議での議論が国連・障害者権利条約の批准に向けた国内法の総見直しとなるため、関係者が期待と関心を寄せている。』『障害者自立支援法については「障害者自立支援法意見訴訟」原告団・弁護士団と厚生労働省との間で基本合意が締結され「速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成二五年八月までに障害者自立支援法を廃止し、新たな総合的な福祉法制を実施する」方向で動き始め、その具体化を「推進会議」が担っている。』とし、さらに『三年以上先の新法制定を待たず、現在の障害者自立支援法について「住民税非課税世帯は利用料を無料にすること」』など六点にわたって抜本的に改善することを求めています。

「日米合意を撤回して普天間基地の無条件撤去を国に求める意見書」不採択

 党市議団は「日米合意を撤回して普天間基地の無条件撤去を国に求める意見書」を提出しましたが、共産・ネット・市民連合は賛成。政和会・市政クラブ・明政会・公明党は反対したため、不採択となりました。
 意見書では、普天間基地の「県内移設」を盛り込んだ日米合意は「沖縄県民の総意を踏みにじり、断じて容認できるものではない」と指摘。沖縄の世論は辺野古移設に反対が84%で、普天間基地の無条件撤去が38%とトップで、国外移設を合わせると74%にのぼることを紹介。また、「米軍訓練の被害を徳之島などに広げるという、自公政権時代よりもさらに悪い方針である」と指摘し、沖縄県民の合意が得られることは絶対にありえない方針であると糾弾。
 また、海兵隊は、菅首相自身がかつて指摘したように、日本を守る「抑止力」ではなく、米国の戦争のための「侵略力」であると指摘。解決の道として、普天間基地の無条件撤去を求める交渉を開始することを求めています。

口蹄疫対策の意見書採択

 党市議団と政和会の共同提案となった国の口蹄疫対策の強化を緊急に求める意見書は、全会一致で採択されました。意見書は「本年4月、宮崎県で発生した家畜伝染病『口蹄疫』は、6月1日現在、約17万頭もの感染が疑われる家畜が確認されるなど、今後もさらに被害拡大の様相を呈している」「宮崎県のみならず、わが国の畜産の根幹をゆるがすものとなっている」と指摘。
 現行法で十分に対応できない消毒・埋却作業、非感染家畜の殺処分などを早急に措置できるようにすることや、再生産・営農可能な補償、営農再開の支援を行うこと、殺処分された家畜所有者への手当金額交付、焼却、埋却費用の全額国庫負担などを求めています。




日本共産党市議団

中澤 邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
広域大和斎場組合議員
都市計画審議会委員
柏木 育子

柏木いく子

企画総務常任委員
高座清掃施設組合議員
国保運営協議会委員
菊川 ユリ子

もりや浩一

保健福祉常任委員
基地対策特別委員
議会だより編集委員
市営住宅運営審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
なお、第四次座間市総合計画特別委員には全員が参加します。



第二回定例会概要

 第2回(6月)定例市議会は、6月3日から28日まで開かれました。議案は専決処分4件、条例改正6件、補正予算と財産の取得、道路認定4件、開発公社や財団の報告7件、請願1件と陳情8件を審議しました。
 党市議団は、専決処分に対する質疑は守谷議員、議案に対する総括質疑と討論は柏木議員、報告に対する質疑は中沢議員が各々行いました。一般質問には3人全員が行い、意見書4本を提出し、市民要求の実現のため奮闘しました。




質疑と討論の要旨

「永住外国人への地方参政権付与」など

 法律の一部改正に伴い座間市の職員の勤務に関する条例が四本議案として提出され質疑に柏木議員が立ちました。勤務時間については3歳に満たない子のいる職員から申し出があった場合、時間外勤務をさせてはならないこと、育児休業については臨時・非常勤職員も取得できること、申請すれば夫婦揃って休業が出来ること、夫婦が交互に取ったかどうかに関わらず再度休業が取れるなどの改正であり、職員の権利拡大であることから充分な周知が必要と求めました。
 さらに「永住外国人への地方参政権の付与を法制化しないよう求める陳情」については、地方自治体の運営は、本来すべての住民の参加によって勧めるのが憲法の保障した根本精神であり、日本国民と等しく参加する政治を保障することにつながり法制化を求める立場から反対をし、「選択的夫婦別姓制度の法制化反対についての陳情」についても反対の立場で討論に参加しました。




一般質問

市長の政治姿勢

中沢邦雄議員

(一)市長の政治姿勢―
 急激な民主党政権交代について、地方自治体の首長としての所見を求めた。「日本志民会議」の政治委員に名を連ねている遠藤市長に、日本創新党との関係を質した。核兵器廃絶に対するこの間の市長の対応を評価しながら、今後の決意を聞いた。市の機構改革の取り組みとコミセンの有料化について、まだ議会にも提案されていないのに、来年4月からの有料化が既定の事実のように市民に意見を求めているのは問題として追及。
(二)基地行政について―
(1)陸軍士官学校の歴史的事実。(2)国との返還交渉の基本的方針。(3)米軍水道施設の具体的返還。等々を質す。
(三)「安全・安心のまちづくり」―(1)増える空き家対策。(2)多重債務相談窓口開設。(3)口蹄疫対策。等々を質問。
(四)国保行政の改善を質す。



一般質問

中小零細業者への支援を/リース代猶予の周知を

もりや浩一議員

 中小零細業者の資金繰りの大変さなど、実態をつかむため市内の事業所を訪問して伺った話も交えながら、中小零細業者への支援策を求めました。その中で、今年、経済産業省からだされた「中小企業からのリース代支払い猶予の申し出に対して支払い条件の変更等を適切に対応すること」という通知について、もっと早く知りたかったという声を紹介。広報などでの周知を求めました。市長から「制度に関してのPRは当然あっていい、取り組んでいきたい」と答弁がありました。
 その他、前定例会に続いて家賃補助、住宅リフォーム助成制度を求めました。また、デリバリー方式(栄養士がたてた献立で民間業者に弁当を依頼する方式)ではない中学校給食の実施等を求めました。



一般質問

座間市西部地域に子育て支援センターを

柏木いく子議員

 地域に守られながら子育てをする施設として「子育て支援センター」ができその利用者が増えています。特に第一支援センターは(東原)施設上でもすばらしく駐車場もあり多くの利用者があります。第二支援センター(相模が丘)も相談室が無いなどの問題はありますが駐車場も最近確保されるなど改善もされました。最近、座間・新田・四ツ谷地域には新しい住宅も増え若い世代が多くなりましたが、同世代の子育てを共有する施設がありません。空き店舗利用などで西部地域に子育て支援センターの建設をと求めたところ、三つ目のセンター建設を計画しているが場所は今後検討するとのことでした。さらに子育て支援についてチャイルドシート・親子自転車のリース貸出しなどについて質問しました。