2012年4・5月 第224号 第1回定例会報告特集


待望の空調機設置先送り

基金を活用し設置を早めよ ― 党市議団

 座間市で空調機は栗原小・相模野小の2校と座間中1棟しか設置されていません。海老名・綾瀬・大和では100%の教室に設置されています。2010年夏は酷暑とまでいわれ、子どもと保護者からも強い要望を受け、党市議団が同年9月と12月に学校に空調機設置を繰り返し求めていました。市側は老朽化した校舎の改築に合わせて設置すると答弁していましたが、2011年予算では再編交付金を活用し、5460万円かけてリースで全校に空調機設置をするとなったのです。
 ところが、東日本大震災があり、当局は電力需給の問題や空調機の部品工場が被災したなどの理由から設置を凍結、翌年に先送りするとしました。
 こういう経緯で2012年度は待ち望んだ空調機設置になると多くの方々が思っていたところ、今年度の一般会計予算に小中学校の空調機設備設置事業費が計上されましたが、実態は空調機に必要な新たな3000kwの受変電設備の設計でした。早くても空調機設置は2013年からで、中学校は2年後に全校設置、小学校は3校ずつ設置で全校設置完了は3年後というものです。児童・生徒に1年後設置を約束してきた行政の責任は大きいものです。
 党市議団は、昨年の予算案に受変電設備設計の費用がなく当初の見通しが甘かった可能性を指摘しました。そして3月議会の総括質疑や討論など様々な場面で空調機設置を早めるよう求めました。
 討論では受変電設備を含む総事業費が2022年度までの11年間で8億1598万円と明らかにしました。また、財源として、再編交付金・特定防衛施設周辺整備調整交付金など各種基金残高を調査した結果、再変交付金8372万円が使用可能とわかりました。つまり、空調機設置を早める財源はあるのです。基金をもっと取り崩し、小学校で、せめて5校と4校設置で2年後に完了するよう求めました。
 今後も空調機設置を含め、教育環境の整備に努め、よりよい教育行政実現に向けてがんばります。




放射能から子どもを守ろう!〜原発ゼロをめざす3.11座間市民集会の行進 議員団参加
放射能から子どもを守ろう!〜原発ゼロをめざす3.11座間市民集会の行進 議員団参加



決議・意見書・陳情 市民の声に応えて

「絆の決議」、全会一致で採択

 党市議団が提案した「座間市地域の絆をはぐくみ、地域で支え合う社会の構築を促進する決議」が全会一致で採択されました。内容は、市民が主体的に行う地域活動を促進することにより、もっと地域の絆をはぐくみ、地域で支え合う社会の構築を促進することを目指すとなっています。

「米空母艦載機の部品落下事故の原因究明と再発防止」意見書

 厚木基地所属の米空母艦載機電子戦機から金属パネル等機体部品が上草柳の県道周辺に落下。この部品落下事故に強く抗議するとともに事故原因の究明と再発防止を強く求める意見書を三月議会冒頭に全会一致で採択。

政党助成金を廃止し復興予算へ
意見書 不採択

 党市議団提出の「政党助成金の廃止を求める意見書」は政和会・公明党・市政クラブが反対し不採択でした。意見書では政党助成金は国会議員約450人分になると指摘し、政党助成金を廃止し復興財源に、と求めています。

無・低年金の問題解決を
意見書 不採択

 党市議団提出の「無年金と低年金の解決を求める意見書」は政和会・公明党・市政クラブが反対し不採択でした。意見書では基礎年金満額6万6千円の半額の国庫負担を全員に支給して年金額の底上げを求めています。

障害者総合福祉法は基本的権利と平等を!

 今国会に提出された障害者総合福祉法は、法の名称や目的理念などの一部の改正にとどまり、障害者個人の基本的権利と平等が保障されるものとなっていない。
 党市議団は障害者総合福祉部会の提言を尊重し、障害者の自立した地域生活が可能となる政策と、予算の充実を求めた意見書を提出。全員一致で採択されました。

待機児童解消のために保育制度を堅持・拡充せよ

 国の検討している「子ども、子育て新システム」は企業参入を促進し、公的責任をなくし、子どもを市場に投げ出すもので、待機児解消にはならない。待機児解消を理由に施設の最低基準を後退させず、公的保育制度を堅持・拡充し、緊急に認可保育所の整備することなどを求める意見書は、共産党と市民連合の一名が賛成、不採択となりました。

「TPP参加反対」の意見書採択

 昨年三月、党市議団が提出したTPPに参加反対の意見書は、市政クラブ・公明党が反対、政和会が退場で不採択となりましたが、一年たった今年、同じ内容の陳情に対し、賛成多数で採択されました。反対は無所属一名、市政クラブは退場しました。

放射能測定。誠実な対応求める陳情採択

 座間市では市内140カ所を超える場所の放射性物質の測定をし、公表しました。一方、市民が独自に測定した市内の公園で、何箇所もミニホットスポットが見つかっていると指摘。今後もこうした場所が見つかることが予想され、市民から残量放射能に対する報告があった場合、市は迅速に計測するなど誠実に対応することを求めた陳情は全議員の賛成で可決しました。




日本共産党市議団

中澤 邦雄

中沢邦雄(団長)

企画総務常任委員
議会運営委員
農業委員
議会改革特別委員会委員長
柏木 育子

柏木いく子

健康福祉常任委員
基地対策特別委員会副委員長
高座清掃施設組合議員
菊川 ユリ子

もりや浩一

教育市民常任委員会副委員長
議会だより編集委員
国保運営協議会議員
二ツ塚線建設協議会委員



防衛省交付金の充分な活用を

新年度予算の反対討論の骨子

第1回定例会概要

 座間市議会第一回定例会は、2月23日から3月23日まで開かれました。議案は、12年度一般会計・特別会計の予算案など6件、一般会計補正予算案など29件、陳情3件を審議しました。日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を中沢議員が行い、一般質問には柏木議員と守谷議員が立ち、決議1本、意見書4本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

 第一に、市は市長を本部長とする「座間市緊急財政対策本部」を設置し、厳しい財政状況を乗りきる、としている。その一方で、せっかく交付されるようになった特定防衛施設整備調整交付金(平成24年度5850万円)を数年に亘って基金として銀行に預けておくという。そして、将来建設する消防庁舎の一画に設ける市民防災拠点の整備費に充当するという。しかし、消防庁舎の建設計画も事業費も明らかにされていないのです。第二に、全ての小・中学校に防衛補助の再編交付金を使ってエアコンを設置するとして昨年予算を計上しましたが、東日本大震災の発生によって凍結し一年延期するとしてきました。しかし、今年になって、予算の関係上、一度に全てはできないので、小学校は3ヵ年で、中学校は2ヵ年で設置すると変更してしまいました。その一方で、再編交付金は8千万円残しているのです。再編交付金を充分活用して一校でも早く設置を急ぐべきだと指摘しました。その他に、放射能測定未実施、基地交付金減額、住宅リフォーム助成制度未実施、学校用務員偽装請負問題を指摘しました。




総括質疑

基地交付金の増額。老人ホームの増床を

中沢邦雄議員

 基地交付金の増額を―座間市に対する平成24年度の基地交付金は1億4775万5千円で、前年に比べて1105万8千円減額になっている。減額の理由は地価の下落によるというが大和市などが増えているのに、なぜ減額なのか、増額を約束した覚書違反である。固定資産税の見返りとしての交付金は資産評価の4分の1から6分の1の基準であるとして、基地交付金の増額を強く追求。
 介護保険―平成24年度の65才以上の第一号保険者の介護保険料が座間市の場合、平均月額で4439円、前年に比べ953円、27・34%増の値上げになる。一方で、特別養護老人ホームの待機者が420人を越えて増え続けているのに、それに見合う老人ホーム計画が無い、増床計画を質した。



一般質問

議員保育園行政など

柏木育子議員

1、耐震工事について
ひばりが丘保育園と相模が丘西保育園の耐震診断が終わり23年度中に、耐震工事設計が行われる。安心安全のために耐震工事が行われることから*老朽化が進んでいるひばりが丘保育園の雨漏りやガラスのひび割れ、西保育園の自転車置き場の危険なフェンスの修繕など、日常の安心安全の問題であり耐震工事と同時に安全対策を含めた修繕を要求、*工事期間中、3歳未満児と、3歳以上児は別の施設に通うことになる。園児送迎に対する対策を求め*工事期間中の給食の安全安心についてなどを質しさらに、
2、保育園の民営化について反対意見を述べ、
3、保育園給食食材の放射線量測定を求めた。そのほか小児医療費助成制度を中学校入学前までにすることや、中学校給食実施について質しました。



一般質問

内部被曝対策を/リニアによる地下水の影響は?

もりや浩一議員

 本年は座間の原水爆禁止協議会設立55周年です。放射線の恐ろしさは被爆者が身をもって示していて内部被曝も考慮が必要であり、食材の放射性物質測定などを求めました。市長から「これまでの測定結果から当地に大きな影響はないと判断する」旨の答弁でした。
 また、リニア中央新幹線建設が座間の地下水に及ぼす影響として毒性の強い六価クロム発生等の問題を挙げ見解を伺いました。市長・各部長から「具体化する中で対応する」旨の答弁でした。
 他、誤った認識を植え付けかねない放射線副読本の使用中止、地元経済活性化につながる住宅リフォーム助成や、広報改善とフェイスブック活用、相模が丘や小松原の交差点改良等を求めました。




介護保険料大幅に引きあがる

座間市内の特別養護老人ホーム
座間市内の特別養護老人ホーム

 3年に一度介護保険制度の見直しが行われ保険料も改定されます。座間市の介護保険料は、国の基準、6段階を12段階に細分化していますが、基準値の第4段階が27.3%もひきあがります。介護保険制度は施設を増設し、利用者が増えたり、高齢率が高くなると保険料が高くなる仕組みになっています。
 本来この制度はかかった費用の1割を利用者が負担し、残りを公費と保険料で50%ずつを賄って、運営することになっています。公費の50%のうち25%を国が負担し、県・座間市が各々12.5%ずつ負担することになっていますが、現状では国は、20%以下の負担となっています。不足分は被保険者と市の持ち出しです。共産党は、国がきちんと25%を負担することとあわせ制度の見直しを求めています。