2014年10・11月 第233号 第3回定例会報告特集


子ども・子育て新制度

保育の後退を許さない


市内の保育園

 来年4月から保育、幼稚園、学童保育など子育て支援にかかわる制度を根幹から転換する子ども・子育て支援制度の実施が予定されています。座間市は、国の示した基準をもとに新制度を具体化するための条例案6本を9月議会に提案し、賛成多数で可決されました。
 共産党は、これまでの保育所・幼稚園制度を根底から改変するものであり、多くの問題があるとして反対しました。反対の主な理由は次の通りです。
 まず、提案された条例規則が法文を援用しているため、わかりづらい、それなのに保護者などへの周知がなされていないこと。
 保育料が議会の審議を経ないで市長の裁量で決定できることになったこと。
 家庭的保育所では、保育士は有資格者でなくてもよく、配置基準も国の最低基準になっていること。
 教育・保育給付に関し、報告や質問を拒否した場合、10万円の罰金を課すことにしていること。
 学童保育の設備専用区画の面積が国の基準を下回っていること。
 児童ホームの保育料を現行の応能負担から一律4700円に変更することにより、これまでより負担増になる人が多数生まれること、などが反対した主な理由です。




消費税増税「露払い」

平成25年度決算に反対

民間賃金は引き上げよ 公務員給与は削減

 安倍政権は、景気対策を第一としてデフレ克服のために大胆な金融緩和を行いながら、GDP国内総生産の6割を占める個人消費を伸ばすために民間企業に対して賃金の引き上げを行うよう要請しました。その一方で、消費税を5%から8%に引き上げるために、国家公務員の給与は平成24年度から2年間で7・8%の賃下げが実施されました。東日本大震災の復興財源捻出を口実に、消費税増税の「露払い」として政府が「身を切る」と強行したものです。そして、安倍政権は昨年、地方自治体に対し国に準じた地方公務員の賃下げを「要請」し、その削減額8504億円、地方交付税の削減で実質的に強要しました。

座間は人件費1億8千7百万円余削減

 このため座間市は、平成25年度決算額で人件費全体で1億8千7百万円以上削減しました。因みに座間市の人件費は、市民一人当たりにすると4万9542円で、県下16市中16位と最低になっています。公務員の給与削減は、公務員や公務員準拠の労働者650万人以上で、全労働者の1割を超え、地域経済や全ての労働者の賃金に影響を及ぼします。以上のような、政府の政治目的のために公務員を犠牲にする、大幅な職員の給与削減、人件費削減に強く反対しました。




最低賃金引き上げを

採択

 党市議団は「最低賃金改定等を強く求める意見書」を提出し、賛成多数で可決しました。
 意見書では、年収200万円以下が1100万人近くいることや、県の最低賃金が887円になることを示し、2012年5月の労働運動総合研究所の報告によると、最低賃金を時給1000円にすると家計消費支出が4兆5千億円増加するなどの試算を紹介。
 国の中小企業予算を増大させながら最低賃金をさらに引き上げるよう求めています。




核のない世界への決議

全会一致で可決

 党市議団が提出した「核兵器全面禁止のための決断と行動を求める決議」が全会一致で可決しました。同趣旨の決議可決は神奈川県内初です。
 この決議は、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議で「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」と合意されてから「4年を経た今でも『核兵器のない世界』を達成する道筋は見えていない」と指摘。
 国に対し、2015年NPT再検討会議に向けて核軍縮・廃絶と安全保障にかかわる諸機関において目標をわかちあう多くの国々と協力し、核兵器全面禁止条約の実現に向けた決断と行動を行うよう強く要望するものです。




日本共産党市議団

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
議会改革特別委員
座間市農業委員
もりや浩一

もりや浩一

健康福祉常任委員
基地対策特別委員
高座清掃施設組合議員
都市計画審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

企画総務常任委員会副委員長
議会だより編集委員
国保運営協議会委員



第3回定例会概要

市民要求実現へ奮闘

 第3回定例会は、8月28日から9月29日まで開かれました。平成25年度一般会計・4特別会計・水道事業会計決算、平成26年度一般会計補正予算、子ども・子育て支援法関連条例6件、市税条例の一部改正条例など3件、道路の路線認定など27議案のほか請願、陳情等を審議しました。党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を中沢議員が行い、市政全般に対する一般質問は中沢、守谷、星野各議員が行い、決議・意見書各々1件提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

慰安婦問題

歴史を偽造するな

キャンプ座間の返還予定地5.4haの造成工事

 慰安婦問題で「河野談話」にかわる官房長官談話などを求める「虚偽証言を根拠とする報道で損なわれた我が国の名誉を取り戻すための決議」が他会派より提案され、共産党・ネット・無会派は反対しましたが賛成多数で可決されました。
 党市議団は反対討論をし、「河野談話」では、(1)慰安所の存在、(2)軍の要請による慰安所設置、(3)慰安婦の募集における強制性、(4)慰安所における強制性、(5)慰安婦の出身地は朝鮮半島が大きな比重――という5つの事実を認めたことを紹介。見直し派はもっぱら(3)の事実を否定するが、慰安所に入れば性奴隷制だった事実こそが最大の問題だと指摘しました。
 また、「河野談話」の作成の過程で「虚偽証言」を直接根拠にしていないことや、日本の司法による事実認定を紹介。さらに『慰安婦問題をめぐる日韓間のやりとりの経緯』でも「受け入れられないものは拒否する姿勢で調整した」とあり、「河野談話」を見直すとか別の歴史認識になるという議論は成り立たないと主張しました。

ウィルス性肝炎患者に支援を求める陳情

全会一致で採択

 今定例会に「ウイルス性肝炎患者に対する支援を求める意見書の提出を求める陳情」が提出されました。これは、ウイルス性肝炎の蔓延に国の法的責任が明確であることから、医療費助成制度の創設、また、身体障害者福祉法上の肝機能障害による身体障害者手帳の認定基準を緩和し、患者の実態に応じた認定制度を求めるものです。健康福祉常任委員会において審議をした結果可決され、本会議においても全会一致で可決されました。




一般質問

オスプレイ飛来・訓練中止を

中沢邦雄議員

一、基地行政―返還予定の供用道路及び公園の用地取得形態、在日米陸軍への病院施工監理業務負担金300万円。陸上総隊について。キャンプ座間キャスナー飛行場での米海軍所属ヘリコプター訓練による騒音対策について。オスプレイの厚木基地への飛来・訓練拠点化に反対し、中止を求めるよう市長の姿勢を追及した。米軍基地存在に対する負担軽減を求める基地対策について。二、小規模企業振興基本法発効に伴う市内小規模企業振興策―市内の小規模企業の実態を把握し具体策を。三、圏央道開通による厚木パーキングエリアを利用する市内地場産業の振興施策の展開を。四、道路の環境改善・整備―さがみ野やすらぎ街づくりに合わせ市道14号線沿いに花の木を。



一般質問

介護保険制度の改悪は許せない

星野くみ子議員

 「地域医療介護総合推進法」は、予防給付の見直し、特養ホームへの入所を要介護認定3以上に限定、「一定以上の所得者」の利用料を2割への引き上げ、補足給付要件見直しなど、社会保障の充実とはかけ離れた内容になっている。市長へ見解を求めたところ、「各自治体の準備体制の把握も充分でない中、国は拙速な判断ではないかとの印象を持った」との答弁だった。また、介護職員の処遇改善も急務で、劣悪な労働条件・環境の中で質の高い介護ができないのが現状。国が制度設定できないなら座間市独自の処遇改善施策を行うべきだと質問をしたが、市としてそのような考えはないが、実施できる事業があれば積極的な活用をしていきたいとの答弁だった。



一般質問

開発等事業指導要綱の改善を

もりや浩一議員

 現在、相武台東小学校の南西側のマンション建設に対しては、座間市開発等事業指導要綱により、冬至日の午前9時から午後3時までの間において地盤面に日影が生ずる範囲と、隣接する土地及び建物の所有者並びに居住者、開発区域周辺の自治会長を対象に、事前に説明会等を行うとなっています。しかし、出された要望からすると、住民の合意をとって開発を進めるべきであり、工事車両の通り道の住民にも説明会を行う等の要綱を改善すべきと求めました。
 他に、公共施設更新で住民サービスを後退させないこと、介護保険施設等を近隣市と共有しないこと、リニア中央新幹線と地下水への懸念に対するJR東海からの文書回答を提出させることなどを求めました。




第3回定例議会 主な表決結果