2015年7・8月 第236号 第2回定例会報告特集


憲法違反の安保法案は廃案に

党市議団が意見書提出

五月空に舞う大凧(2015年5月4日)
五月空に舞う大凧(2015年5月4日)

 安倍自公政権は、5月、多くの人々の反対の声を押し切って、自衛隊法など既存の10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」を国会に提出し、審議が続いています。この二つの法案は、これまで政府が憲法9条のもとでは違憲としてきた集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による様々な場合での武力行使に、自衛隊が地理的限定無く緊密に協力するなど、憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものです。多くの憲法学者や法律家の団体が声明を発表し、全国の弁護士が加盟している日本弁護士連合会も反対声明を発表しています。衆院の憲法審査会では、与党の自民・公明が推薦した人を含め3人の憲法学者がそろって「憲法違反」の烙印を押しました。憲法に反する法律は「その効力を有しない」と憲法98条に定められています。したがって、党市議団は、この立場から6月議会に「安全保障関連法案の廃案を求める意見書」を提出しました。内容は、憲法に反した「法案」の審議は憲法に基づく立憲主義に反したものであり、「法案」を撤回し、廃案にするよう強く求めるものでしたが、採決の結果は、賛成が共産の外、ネット、無会派の6人で、反対が、いさま、公明、大志2人の12人で否決されました。なお、大志の2人は退席しました。「戦争法案」は、国会で審議をすればするほど問題点が明らかになり、国民の多くが納得していません。今国会成立阻止の一点で力を合わせることが大事です。




総括質疑
再編交付金、どうなる?

 再編交付金は米軍再編の進捗状況によって交付され、状況によっては、最大15年までの延長があるとされている。これは防衛施設の再編による住民生活の負担軽減のための交付金だと理解しているが、再編が終わったとしても、基地の負担は続くのに、再編交付金が10年で終わるのが理解しがたいのだが、本市に対する交付が平成28年で終了するということは、再編は終了したということなのかを質した。また、この再編交付金は現在、小・中学校のエアコンリース代金に利用しているが、交付終了後は、財源をどうするのか質した。当局からは「交付期間と進捗状況に直接の関連性はないと認識している。エアコンリース料については、平成29、30年度は再編交付金基金から取り崩し、以降は一般財源で対応する予定です。」との答弁だった。




自主防災組織にコミュニティ事業助成金が交付

 本年度の一般会計補正予算(第1号)について、党市議団は賛成しました。歳入でコミュニティ助成事業助成金(いわゆる宝くじ助成金)があり、歳出で地域防災力向上事業費170万円があります。これは広野台第2自主防災組織から防災備品整備という申請を一般財団法人自治総合センターが採択して、コミュニティ助成事業助成金が交付されるということで、高く評価をしました。
 また、財政調整基金繰入金に関して、同基金の残高は今年度の基金取り崩し後も11億7510万円余あるとのことで、削られた福祉サービスの復活や保険料の値下げなどに振り向けるよう求めました。意見や要望を交えながら全体として補正予算に賛成しました。
 また、「義務教育に係る国による財源確保と、35人以下学級の着実な実施・進行を図り、教育の機会均等と水準の維持・向上並びに行き届いた教育の保障に関する請願」と「神奈川県最低賃金改定等についての陳情」への賛成討論をしました。




日本共産党市議団

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
議会改革特別委員
座間市農業委員
もりや浩一

もりや浩一

健康福祉常任委員
基地対策特別委員
高座清掃施設組合議会議員
都市計画審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

企画総務常任委員会委員長
議会だより編集委員
国保運営協議会委員



第2回定例会概要

 第2回定例会は5月29日から6月22日まで開かれました。議案は専決処分5件、一般会計補正予算外3件、公社の報告など3件、請願1件、陳情7件を審議しました。党市議団は議案に対する総括質疑は星野議員、討論は守谷議員が行い、一般質問は中沢、守谷、星野各議員が立ち、意見書を一本提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

芹沢公園整備

子ども冒険ランド(おとなも)

平成29年4月開園

芹沢公園整備予定の第4工区
芹沢公園整備予定の第4工区

 芹沢公園は市立公園では最も大きな公園で、面積は16・2ヘクタールで、現在、整備をしている第4工区は2・6ヘクタールです。整備の考え方は“子ども冒険ランド(おとなも)”です。工事は平成25年度から始まっていますが同27年度は造成工事、給排水設備工事、同28年度は園路、植栽、建設施設で、同29年4月開園をめざしています。総事業費は8憶9千110万5千円で、その内国庫補助金が3憶1千410万円です。設置される主な施設について説明します。斜面の遊び場(約3千平方メートル、高低差約8m、ローラー滑り台、斜面のネット遊具、遊びの芝斜面・テラス、芝等ができます)。わんぱく遊び場(約1500平方メートル、芝生の築山、どんぐりの森=冒険遊び場・手作り遊具など)。多目的芝生広場(約1500平方メートル、芝生広場とアップダウン園路)。お花畑の斜面(約100平方メートル、高低差13m、里山の草花斜面、石積みの段々畑)。屋外プレイランド(幼児用)(屋外300平方メートル、幼児用遊具、落書きコーナー、ゴムチップ舗装、人工芝、縁台)。活動拠点施設(建築面積約258平方メートル、多目的ルーム、掲示コーナー、管理棟、倉庫、トイレ、防災備蓄庫)。芝生の丘(約800平方メートル、高さ2〜3m)。畑・花壇(約1000平方メートル、畑約800平方メートル、水まき水栓、舗装広場と緑陰樹、作業用スペース)。既存樹木林(約7000平方メートル、管理用兼散策道路、林床の草花)。ウエルカムゲート(シンボル樹、條景花壇約300平方メートル、舗装広場約200平方メートル、案内板)。以上の施設が造られる予定です。




一般質問

基地行政など3問を質問

中沢邦雄議員

 一、基地行政―陸上自衛隊の指揮系統を一元化する陸上総隊司令部が朝霞駐屯地に設置されることによって、中央即応集団司令部が廃止されるが、その後のキャンプ座間の機能、位置づけについて質した。オスプレイの事故と配備、原子力空母の交代と厚木基地の騒音問題についても取り上げました。
 二、医療保険制度改正が成立し、国保制度が大幅に変わり、住民と自治体に大きな負担と犠牲がもたらされることを具体的事例に即して質した。
 三、仲よし小道の基本構想策定―市道13号線(桜並木)道路の関係ですが、戦前は高座工廠の真ん中の道路、戦後は畑地かんがい用水路と桜の木が植えられてきたことなどの歴史的経過をふまえた策定を求めた。



一般質問

商店版リフォーム助成を

もりや浩一議員

 一、小規模企業振興基本法に基づく施策として市内小規模企業のリフォームに助成する商店版リフォーム助成の創設を求めた。市長から「視察なども実施して検討を進める」と前向きな答弁が得られた。
 二、リニア中央新幹線の地下工事と市の地下水への懸念に対して市地下水採取審査委員会の意見をもとに市がJR東海に要望したことを受け、リニアが通る相模原市と連携して対応するよう求めた。
 三、生活保護制度について住宅扶助引き下げにあたり、やむを得ない理由なら引き下げないとする条件を質問、契約更新時までは従前通り支給するなど丁寧な対応を求めた。また、川崎の簡易宿泊所火災に関して生活保護者のいる無料低額宿泊所の火災予防対策を質した。

一般質問

小児医療費の拡充を!!

星野くみ子議員

 厚生労働省が2014年に行った調査では、通院で中学校卒業以上まで小児医療費助成をする自治体は全体の65%に上りました。また、8割近い市区町村が所得制限を設けていません。拡充が広がった背景には、少子化への危機感や地域間競争があると見られると新聞は伝えています。県内では中学校卒業までが対象の市町村は10自治体です。人口問題を考えたときに助成制度を充実させることは子育て世代への支援として、大変重要です。座間市の人口は前年同時期と比べると減少しています。中学校卒業まで小児医療費助成がある近隣3市、厚木市、海老名市、大和市では増加しています。小児医療費助成の対象を中学校卒業までに拡大するよう求めました。




第2回定例会 主な議案の表決結果