2017年7・8月 第243号 議会報告特集


キャンプ座間への弾薬輸送問題
「覚書」見直し問題

基地行政を質す

 第2回定例議会の一般質問で、基地行政としてキャンプ座間への弾薬輸送問題と「覚書」見直し問題をとりあげましたのでその要旨を報告します。キャンプ座間への弾薬輸送は、東広島市の川上弾薬庫から民間のトラックで搬出し、広島貨物ターミナル駅で鉄道に積み替え横浜羽沢駅まで輸送し、そこから民間トラックでキャンプ座間に搬入されています。輸送実績は5トントラックで12回約60トンの弾薬が昨年、一昨年と輸送されています。川上弾薬庫のある東広島市には昨年度4300万円の交付金が配分されている上に、同市には輸送に係わる日時や経路などの情報が防衛当局から事前に知らされています。一方で、座間市には一切情報が無いので、キャンプ座間にいつ、どの様に搬入され、どこでどの様に保管され利用されているのか明らかになっていません。市民の不安を解消し、安全安心の町づくりを進めて行くためにも、市長は政府や米軍に対して弾薬輸送の情報提供を求めるべきだと質しました。

新覚書に賛成できない

 自衛隊のキャンプ座間の共同使用に当たり、旧座間町と旧防衛庁横浜防衛施設局が昭和46年6月に締結した覚書を、「45年経過し覚書と実態との間に大きな乖離が生じている」として、新たな覚書がこの7月7日、遠藤三紀夫市長と堀地徹南関東防衛局長の間で締結されました。新覚書では、南関東防衛局はキャンプ座間の整理、縮小、返還及び負担軽減策等の推進について最大限の努力をすると謳われているものの、「自衛隊の使用は一部とし、人数を約300名」と定めていた条文や基地交付金の増額の条文を無くしたのに対して、座間市と自衛隊及び在日米軍との協力関係が一層進展するよう努めることが全面に出た覚書になっています。新覚書の条文内容は議会などで議論や審議されたものでなく、市長が執行権行使によって締結したもので、問題であると言わざるをえません。共産党は「覚書」の全面的見直しに反対であり、新覚書に賛成していません。

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今年の大凧まつりの様子(座間市より写真提供)

「国民健康保険制度の国庫負担増額を強く求める意見書」=全会一致採択

 来年度から国民健康保険の都道府県単位化がされるにあたって、国からの財政支援が求められている水準から比べると不十分であり、国の責任で国民皆保険制度を支えるべきであるため、国民健康保険制度の国庫負担増額を強く求めるものです。党市議団が提出したこの意見書は、全会一致で採択されました。

「共謀罪の創設を含む改正組織的犯罪処罰法の廃止を求める意見書」=不採択

 いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案は異例な手続きにより、本会議の採決が行われ成立した。本法律は「組織的犯罪集団」の定義も曖昧であり、一般市民が捜査の対象となる可能性がある等、捜査当局の恣意的な運用により市民の人権や自由を侵害する恐れが強いといわざるを得ない。本法律のすみやかな廃止と再度国会における十分な議論を行うことを求めるこの意見書は、賛成8(共産3・大志2・無会3)、反対13(自民い7・公明4・明進2)で不採択となりました。

「公文書の安易な廃棄を防止し電子情報も含めた公文書管理の徹底を求める意見書」=採択

 南スーダンPKO派遣部隊の日報及び「森友学園」への国有地売却経緯に関する書類については、いずれも行政文書であるものの保存期間が一年未満であることを理由に廃棄したという事態は公文書管理法の趣旨に反するものと言える。この意見書は一年未満保存の行政文書を指定する定義及び要件を明確にすること等により、公文書の安易な廃棄を防止し、電子情報も含めた公文書の徹底管理を求めるもので、賛成12(共産3・公明4・大志2・無会3)、反対9(自民い7・明進2)で採択となりました。


暑中お見舞い申し上げます
公職選挙法により議員個人の暑中見舞いは出せませんのでご了承ください。




日本共産党市議団

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
都市計画審議会委員
もりや浩一

もりや浩一

企画総務常任委員
高座清掃施設組合議会議員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

民生教育常任委員
議会だより編集委員会副委員長
議会報告会開催委員会副委員長
青少年問題協議会委員
国保運営協議会委員



第2回定例会概要

 第2回定例会は6月2日から26日まで開かれました。平成29年度一般会計、国保特別会計の補正予算、農業委員の承認を含む人事案件など23議案のほか、請願・陳情等を審議しました。党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を星野議員が行い、市政全般に対する一般質問は中沢、守谷議員が行い、意見書2件を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

進む新ごみ処理施設の建設工事

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建設中の新ごみ処理施設の様子
(工事かわら版より)

 座間市は海老名市、綾瀬市とともに、海老名市本郷にある高座清掃施設組合でごみ処理をしています。3市から5名ずつ組合議員を選出、座間市からの議会議員に守谷議員が入っています。
 現在、ごみ焼却施設と粗大ごみ処理施設は、老朽化が進んだことから、施設区域内にて2019年度稼働開始を目指して新ごみ処理施設の建設工事が進められています。三菱・フジタ特定建設工事共同企業体が、設計・建設を175億6千万円余で、運営・維持管理を136億5千万円余で受注しています。新ごみ処理施設の敷地面積は15975・11平方メートル、煙突高は59m、地下3階・地上10階の工場棟と、地上6階のプラザ棟という計画です。安全で快適な生活に資するよう求めます。




総括質疑

地下水位常時観測計、購入時の保障は?

星野くみ子議員

 地下水の涵養と管理・地下水位常時観測事業費について、本補正は6台の地下水位常時観測計の中の2台の修繕のためですが、万が一狂いが生じるとどのような不都合が出てくるのか、また、初年度設置時期と購入したときに何年間かの保証はついていたのか質しました。環境経済部長からは「誤差による不都合については、目標地下水位の監視に支障が生じることはもちろん、その数値を放置すれば地下水保全基本計画に基づく今後の地下水量の計画的な管理にも影響が出てきます。平成23年3月に設置し、初年度購入時の当時の契約では保証に関する事項はありませんでした。今後の契約を行う際には詰めてまいりたいと思います」との答弁がありました。



一般質問

国保の都道府県単位化制度改善の機会に

もりや浩一議員

 来年度からの国保の都道府県単位化にあたり、国保税値上げ回避、資格証ゼロ、短期証の期限延長など制度改善を求め、データヘルス計画を保険者努力支援制度(国が健康づくり等の事業を評価し支援金交付)に該当するよう質問しました。健康部長から「納税資力を見きわめ保険証を交付したい。保険者努力支援制度に該当するよう事業展開したい」との答弁でした。
 また、若者向け労働ガイドを新成人に渡すことや中学・高校での活用、リニア中央新幹線による地下水の影響と地下水総合調査事業の活用、来春開業予定の大型商業施設の周辺整備と渋滞対策、相武台前駅南口道路のバリアフリーとして車止めポールの一部撤去と歩道拡幅などを質問しました。



一般質問

基地行政と教育行政を質す

中沢邦雄議員

 第2回定例市議会の一般質問は基地行政と教育行政の抱えている問題を全面的且つ多岐に渡り、60分の質問時間を使って行いました。
一、 基地行政―(1)キャンプ座間について、(1)覚書の見直し問題 (2)川上弾薬庫からキャンプ座間への弾薬輸送問題 (3)座間司令部等の建て替え問題 (2)厚木基地について (1)米軍艦載機岩国移駐問題 (2)厚木基地の爆音問題 (3)多発する部品落下問題 (4)オスプレイ飛来問題 二、 教育行政について―(1)次期学習指導要領改訂問題 (2)全国学力テストの評価について (3)教員の長時間労働・中学校部活動について (4)いじめと不登校問題 (5)図書館の学校史切り取り問題 (6)理科教育振興法に基づく整備率について