2020年7・8月 第255号 第2回定例会議会報告特集


新型コロナウイルス感染症対策の

強化を求める―市民に寄り添う市政を

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コロナ対策について市商工会の長本会長と鈴木事務局長との懇談

 新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るう中行われた2020年座間市第二回定例会は、全34件の議案中、補正予算11件と条例改正1件が新型コロナウイルス感染症対策に係るものでした。
 感染症対策として補正予算では15億円余の財政調整基金を9億円以上取り崩して多くの事業を行いました。財政調整基金の元々の原資は市民が納めた税金です。多くの金額を貯めておくよりも今回のような事態に際して、市民のために使うことは評価できます。
 一方、すべての市民に10万円の給付がされる「特別定額給付金」は国から全額支出されます。給付対象者は4月27日の時点で住民基本台帳に名前がある人ですが、他の自治体では一定の期間内に生まれた子に対して「出産祝い金」等の名目で給付を決めたところがあります。子育て支援の観点からも、本市でもそのような対応ができないかと質しましたが、国の制度設計に基づいて行うとの答弁でした。
 また、新型コロナウイルス感染症に関わり、国民健康保険でも傷病手当が支給されるようになる条例改定では、手当てが支給されるのは給料が支払われている者に限定されていますが、経営者も労働者である、手当があるべきだと求めましたが、今回は国からの「労働者対象」の緊急的な支援であることから、市の事業として拡大は難しい、との答弁でした。
 国の政治が細かく行き届かない時こそ、市民の声に耳を傾け寄り添う市政が必要です。

コロナ対策の陳情と意見書

医療提供体制堅持を

不採択

 新型コロナの影響を受けている医療機関への支援等を求めた「新型コロナウイルス感染症拡大に際し第一線の医療提供体制堅持を求めることについての陳情」は、自民党・いさまと公明党と大志会が反対して不採択となりました。

国保と後期高齢者医療保険の傷病手当の拡充を

不採択

 党市議団が提案した個人事業主への傷病手当を国の財政支援対象とすることなどを求めた意見書は、自民党・いさまと公明党と大志会が反対して不採択となりました。

児童生徒の学びやケアの保障を

不採択

 党市議団提案の小中高の教員を10万人増員して、1クラス20人程度とすることや私学助成の増額などを求めた意見書は、自民党・いさまと公明党と大志会と明進会が反対して不採択となりました。

特別定額給付金の拡充を

不採択

 党市議団提案の4月27日以降に単身世帯が亡くなった場合でも家族が申請して給付を受けられることや年内に生まれた新生児に10万円の給付を求めた意見書は、自民党・いさまと公明党と大志会が反対して不採択となりました。




日本共産党市議団

中沢邦雄

中沢邦雄(団長)

都市環境常任委員
広域大和斎場組合議会議員
もりや浩一

もりや浩一

民生教育常任委員
議会運営委員
議会報告会開催委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

企画総務常任委員
基地政策特別委員
議会だより編集委員



第2回定例会 概要

 第2回定例会は5月29日から6月22日までの会期で開催されました。議案は、専決処分の承認10件と2020年度の一般会計補正予算4件、条例改正1件、市道の路線認定6件、陳情6件、報告3件、議員提出条例議案1件を審議しました。また、農業委員会委員の任命、固定資産評価審査委員会の選任、人権擁護委員の推薦を承認しました。
 日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を星野議員が行い、市政全般に対する一般質問は中沢議員、守谷議員が行いました。政府機関に対する意見書を三本提出し、市民要求実現のために奮闘しました。




議員提出議案

座間市商業振興による地域コミュニティの形成に関する条例について

 新しい条例を作ることも議員の大切な仕事です。座間市商業振興による地域コミュニティの形成に関する条例は、党市議団の3人、明進会の2人、無会派の3人による8人の議員の共同で提出した議案でした。提案理由は、座間市の商業振興に関し、商業者、地域経済団体および市が相互に連携をし、商業振興を促し、住民福祉の向上に寄与するため、条例を提案するというものです。この条例の目的は第一条で、商業が地域コミュニティの形成に果たす役割の重要性に鑑み、本市における商業を通じた地域活性化に関する基本的な事項を定めることにより、本市の実情に応じた商業の振興を促し、もって住民福祉の向上に寄与することを目的とする、となっています。条例の内容は、第2条で定義、第3条で基本理念、第4条で市の責務、第5条で商業者及びチェーン店加盟者の責務、第6条で大規模小売店舗の責務、第7条で商店会の責務、第8条で地域経済団体の責務、第9条で地域貢献計画書の作成及び提出、第10条で地域貢献計画書の公表、第11条で委任の構成となっています。
 最終日の議会で、採決の結果は、賛成が提出議員の8人、反対は自民党・いさま8人、公明3人、大志2人の13人で、賛成少数で条例案は否決されてしまいました。



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拡幅が予定されている座間小学校北東の道路交差点


一般質問

新型コロナウイルス感染症対策・経験を教訓として次に生かす

中沢邦雄議員

 @避難所の非「3密」と備品備蓄について、A米軍基地での感染者の情報公開について、B県の救急搬送態勢について、CPCR検査・医療体制の強化について、D国保・介護保険料の減免と国保の傷病手当について、E新型コロナウイルスと環境破壊、気候危機について、F学校運営について、G水道料金の減免について、以上8項目の質問をしました。人類史上初めて経験する新型コロナウイルス対策・経験を教訓として次に生かすという表題としたのは、市民のために市当局が取り組んでいる体験を一時的にせず、次の世代に残していくことが大事と考え、現状の取り組みと問題点を明らかにさせ、他市との状況を踏まえ、更なる改善点を指摘したものです。



一般質問

児童ホームでの新型コロナ対策を

もりや浩一議員

 市内14箇所の公立児童ホームで聞いた指導員の方々の切実な声を示して、新型コロナ対策として非接触式体温計購入や消毒液など消耗品追加、窓に網戸の設置、扇風機の増設、密集を避けるための空き部屋確保や雨漏り修繕などを求めました。子ども未来部長から、どれも現場の要望にこたえる趣旨の答弁でした。一方、新型コロナの影響が落ち着くまで各ホームの利用定員を減らし待機用児童ホームを増やすことは、考えていないとの答弁でした。
 また、新型コロナの影響で5人に1人の大学生が退学を検討せざるを得ない状況であることを示して、自治体による学生応援給付金や食料支援を求めました。学生を問わず食料支援するとのことでした。



討論

マイナンバー推進の議案に反対

星野くみ子議員

 マイナンバーは2015年10月から導入され、その際に番号を知らせるための通知カードが発行されましたが、今回の法改正ではこの通知カードを廃止することになりました。わざわざ一度国が発行したカードを廃止するのはなぜなのか。当初予想していたほどマイナンバーカードの利用率、普及率が上がらなかったからなのでしょうか。特別定額給付金のオンライン申請でもマイナンバーそのものは給付に使われていません。今回の通知カードの廃止は、普及率が2割に満たないマイナンバーカード推進にほかならず、一たび情報が漏えいした場合には全ての個人情報が流出してしまうマイナンバー制度に賛成することはできないため手数料条例の一部改正に反対しました。