2022年4・5月 第261号 第1回定例会議会報告特集


市民生活向上へ 地方行政のあり方を問う

国保税の値上げに反対

 国民健康保険税がこの4月から値上げされます。日本共産党は値上げに反対しましたが賛成多数で可決しました。
 国では、未就学児に係る均等割額を半額にし負担軽減するとともに、課税限度額を99万円から102万円にして格差を少しだけ是正しました。
 一方、2024年度から神奈川県内は統一の標準保険料になるため、座間市は標準保険料との乖離を半分にするとして、医療分、後期高齢者支援分、介護分を合わせて、所得割が8・25%の値上げ、均等割が3万6千円から4万2千9百円に値上げ、平等割は3万3千円から3万1千5百円に値下げですが、全体で値上げとなりました。
 さらに2024年度に国保税を再度値上げして神奈川県の標準保険料に合わせようとしています。
 今でさえ払えないほど高すぎる国保税を値上げするのは問題であり、コロナ禍なのに一般会計から国保会計への繰り入れを削減し、その分を市民への負担増とする大問題です。

〇一般会計から繰り入れ、基金運用や子どもの均等割免除で市民負担軽減を

 県の標準保険料に合わせなくても赤字決算補填の一般会計繰入金で対応できます。赤字決算補填のための一般会計繰入金を解消しない自治体には、特別交付金が減らされるひどい仕組みがありますが、その影響額は年によって異なり、約3百万円や2百万円であり、この金額のために市民負担を増やすべきではないと指摘しました。
 また、国民健康保険の基金積立金を増やす目的や、国保税の子どもの均等割額を免除するための一般会計繰入金であれば、赤字決算補填と異なるので特別交付金の減額とならないことを示し、こういう手法で少しでも市民負担を軽減すべきと指摘しました。
*税率改定に伴うモデル世帯の国保税比較表を入れる




マイナンバーカードの補正予算について

 マイナンバーカードの発行枚数の実績が予定より多くなっており歳入歳出とも増額した補正予算に党市議団は反対しました。国は、マイナンバーカード普及のために最大2万円分のポイントを付与するとして1兆8千億円余りを計上し、これ以外に各省庁がこれまで支出したマイナンバー制度の関連経費は、少なくとも1千億円を超えています。これらの費用はすべて国民の血税です。このような税金の使い方に賛成するわけにはいかないと指摘しました。




一般会計予算の評価と問題点

 一般会計予算について党市議団は、小児医療費助成制度の所得制限撤廃にむけたシステム改修、生ごみ処理機購入補助の拡充、小学校給食室へのエアコン設置、東中学校へのエレベーター設置、市庁舎のエレベーター設備の改修など評価できるとしたうえで、次の点を指摘して反対しました。問題点として、@今年の4月からの市民体育館とスカイグリーンパークの駐車場有料化の問題。Aマイナンバー制度関連でマイナポイント付与の申請補助の委託料に4380万円もかける問題。B国保税値上げにつながる一般会計から国保特別会計への繰出金の削減。以上の3点です。




新規・拡充された主な事業

◎中学校施設整備事業費(東中学校エレベーター設計委託・拡充)721万円

◎学校給食施設整備事業費(小学校給食室空調機設置・拡充)1億7843万円

◎小児医療費助成事業費(所得制限撤廃に向けたシステム改修・拡充)253万円

◎ホームページ作成事業費(ホームページ改善・拡充)3507万円

◎児童発達支援事業費(生きがいセンターを児童発達支援センターへ改修・拡充)1億3514万円

◎ふるさと納税返礼品事業費(ふるさと納税返礼品制度導入・新規)2496万円

◎市庁舎維持管理事業費(来庁者用エレベーター設備改修・拡充)4億5296万円

◎地下水保全基本計画管理事業費(地下水保全基本計画の中間検証実施・新規)425万円

◎芹沢公園祭整備事業費(公園南側エリアを豪雨から守る対策・新規)1233万円



日本共産党市議団

もりや浩一

もりや浩一(団長)

都市環境常任委員
議会運営委員
広域大和斎場組合議会議員
都市計画審議会委員
二ツ塚線建設協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

企画総務常任委員会副委員長
議会だより編集委員
議会報告会開催委員会副委員長
高座清掃施設組合議会議員



第1回定例会概要
市民要求実現へ奮闘

 2022年第1回定例会は、2月17日から3月23日まで開かれました。議案は、専決処分の承認2件、2021年度一般会計補正予算が3件、特別会計・事業会計の補正予算4件、2022年度一般会計、特別会計、事業会計の予算、条例改正7件、専決処分の報告2件と陳情1件を審議しました。
 日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を守谷議員が行い、一般質問には守谷、星野両議員が立って、意見書2本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。




平和を求める決議・意見書、全会一致で採択

ウクライナ侵略を非難
@今定例会では「ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議」が全会一致で採択されました。これは、武力を背景にした一方的な現状変更に強く抗議し、核兵器の使用禁止を対外的に強く訴えるとともに、世界の恒久平和の実現と国際秩序の維持に向け、全力を尽くすことを強く求める決議です。

非核三原則の堅持を
A「非核三原則の堅持を求める意見書」も、イデオロギーの違いや会派の垣根を越えて全会一致で採択されました。この意見書は、政府に対し、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を堅持するよう求めるものです。

病床削減の中止を
B党市議団は「病床削減、医療従事者長時間労働ではなく地域医療と医療現場の自主性を求める意見書」を提出しました。これは、国に対し、安全な地域医療と医療従事者を守るため、医療現場の実情と自主性を尊重すること、及び、ゆとりある人員と安全な医療環境を目指すよう指導することを求めたものですが、賛成少数により不採択となりました。

内部留保への課税を
C党市議団は「大企業の内部留保への適切な課税を行い、労働者の賃上げと国内投資に向けることを求める意見書」も提出しました。これは、大企業の内部留保は466兆円にものぼるが、労働者実質賃金は減っていることから、国に対し、適切な課税を行うこと求めたものです。しかし、賛成少数により、不採択となりました。
B、Cの賛否態度は表決結果をご覧ください。




写真
市民体育館とスカイグリーンパークの共用駐車場(4月から有料)



一般会計予算に対する附帯決議に反対

 一般会計予算に対する附帯決議として、ふるさと納税返礼品事業や中学校エレベーター設置、学校給食室の空調機器設置の財源に対する要望などの附帯決議を自民党・いさまと大志会が提案しました。

●附帯決議は議決の条件でない
 党市議団は、反対討論を行い、附帯決議とは、可決された案件に対し、事業を執行する上での要望や留意事項を述べるために提出されるもので、附帯決議は主たる議決の条件とみなすことはできないと紹介して、本附帯決議に「採決での判断にも影響する可能性があることも申し添えておく」とあるのはふさわしくないと指摘しました。

●事実と異なる内容
 本附帯決議では、東中学校エレベーター設置工事設計委託事業で「学区外への登校を余儀なくされる児童・生徒へのアクセス支援」について何も示されなかったのような記載がありますが、特別支援教育就学奨励事業費で可能な旨の答弁がされており、事実と異なります。
 また、学校給食室の空調機器設置について「国庫補助金の活用を前提とする公共工事では時間と費用がかかるという答弁」の「裏付けとなる根拠は示されず」とありますが、国庫補助を活用すると設計と工事で最低2年かかるが1年間で空調を設置したい旨の答弁がされており、事実と異なると指摘しました。




一般質問

米軍に地下水保全協力金を求めるべき

もりや浩一議員

 市内には米軍水道施設があります。在日米軍にも座間市地下水保全条例第33条にもとづく協力金を求めるべきと質問しました。環境経済部長から「地下水保全対策基金管理運用要領で非営利事業に準ずるものとみなして米軍は除外しています」との答弁でした。
 また、米軍の出国前PCR検査免除の問題、オスプレイの定期整備とテスト飛行の影響、自衛隊機の騒音、APZ(航空機事故の可能性地域)、米軍基地周辺での有機フッ素化合物の検出問題、キャンプ座間でのパワハラの対応、座間市核兵器廃絶平和都市宣言から40周年と原水爆禁止協議会の創立65周年の事業、リニア中央新幹線の地下水への影響として「水みち」と地盤沈下の懸念などについて質問しました。



一般質問

ジェンダー平等へ一歩前進 新しい制服へ

星野久美子議員

 2023年4月から座間市内の全中学校の制服が新しくなります。制服が変わることの目的について質しました。教育長からは「国籍、宗教、性自認、身体上の理由等により、現在の制服に対し負担を感じる生徒への配慮、気温差に対応しやすく動きやすい機能的配慮、価格面などの経済的配慮、男女差の少ないデザイン等の導入、全ての生徒が自分に合った制服を選択できるようにします」との答弁がありました。誰もが自分で選択できる新しい制服。例えば、男女どちらの生徒でも、スカートやズボンを選択でき、ボタンの合わせやリボン・ネクタイも生徒本人が選ぶことができます。制服を通して多様性を認め合うことを学ぶ。ジェンダー平等の社会へ一歩前進です。