2022年10・11月 第263号 第3回定例会報告特集


ジェンダー平等の社会へ、一歩前進の議会

印鑑登録等に性別なし

 9月28日に閉会した2022年座間市第3回定例会では、日本共産党が綱領に掲げる「ジェンダー平等の社会」を一歩進める議会となりました。当局から出された議案の「座間市印鑑条例の一部を改正する条例」は、印鑑登録等に関する登録事項のうち男女の別を削除するものです。また、「座間市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例」は、正規も非正規の職員も、育児休業が従来よりも長くとれるようになり、委員会質疑では男性職員の育児休業が取りやすい環境整備を求めることができました。そして、座間市はこの10月から多様な性に対応し、誰もが自分らしく生きていかれるために「座間市パートナーシップ宣誓制度」を開始しました。それを望まない市民から「性的マイノリティーに関する施策を慎重に協議することを要望する陳情」が出されましたが、賛成する者はおらず不採択となっています。

党市議団提案の意見書、賛成多数で採択

 党市議団が提出した「女性差別撤廃条約選択議定書の批准を早急に求める意見書」は賛成12(共産2・無会3・自民いさま7)、反対8(公明4・大志4)、退席1(無会)で採択されました。これは、国会及び政府に対し、男女格差をなくし、全ての人の人権が尊重される社会をつくるため、一刻も早く選択議定書を批准するよう強く求めるものです。その他、残念ながら「新たなパートナーシップ制度についての陳情」は、賛成9(共産2・公明4・無会3)、反対12(自民いさま7・大志4・無会1)で不採択となりました。




2021年度座間市一般会計決算に反対

PCR検査・接種会場への交通補助を

 2021年度は、新型コロナウイルス感染症の影響がますます大きく広がり、個人、法人ともに市民税が落ち込む中での行政運営が求められていましたが、市民の苦しい生活に徹底的に寄り添った市政運営がされたかどうかが問われました。
 まず、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に対し、今年に入ってから予約の電話をフリーダイヤルに変更したことは評価できます。しかし、PCR検査に対する助成、ワクチン接種に関わる交通手段など、市民が求める事業はありませんでした。また、当該決算年度に、スカイグリーンパーク、スカイアリーナの駐車場有料化につながる都市公園条例改正があったことは大きな問題だったと言わざるを得ません。施設利用者に負担を強いて、民間事業者に年間180万円であの広い駐車場を使わせる道を開いた条例改正があったことには賛成できません。そして、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金3億4,236万9,000円を活用して小・中学校の児童・生徒に一人1台タブレットが貸与され、学校の中でも、また家庭でも使える学習の環境を改善したことは評価できますが、教員への貸与が少なく、それでなくても多忙な先生方が苦慮されたことは看過できない問題です。
 その他、資源物分別収集実施事業において組合との調整が不十分であったことや、国が進めるマイナンバー制度でありながら、市の超過負担が発生したことなどから、党市議団は座間市2021年度一般会計決算について反対しました。




ハーモニーホール座間の不正利用・調査特別委員会設置

 今定例会で無会派の安海議員の一般質問により、ハーモニーホール座間の小ホールの楽屋を部外者が会合の場として不正利用していた問題が明らかになりました。
 本会議最終日に、この質問の中、個人を特定する部分は事実が確定していないとして、発言取り消しの動議が大志会の沖本議員から出され、党市議団は動議に反対しましたが、可決されました。安海議員は、議長からの発言取り消しの求めに対し「議員の倫理観に基づき役職や実名を出したので、発言を取り消す考えは無い」と答えました。同日、「座間市立市民文化会館の適正ではない使用に関する調査特別委員会の設置について」という議員提出議案が全会一致で可決、地方自治法第98条に基づく調査特別委員会を設置することとなりました。

不正利用は遠藤前市長
  再発防止策を求めていきます

 その後、一般紙がハーモニーホール座間を不正利用した部外者は、遠藤前座間市長であり、取材して本人が認めたと報じました。今後、党市議団は、真相解明や再発防止策を求めていきます。




日本共産党市議団

もりや浩一

もりや浩一(団長)

企画総務常任委員会委員長
議会運営委員
高座清掃施設組合議会議員
二ツ塚線建設協議会委員
厚木基地周辺対策協議会委員
星野くみ子

星野くみ子

民生教育常任委員
議会だより編集委員
議会報告会開催委員
国民健康保険運営協議会委員
民生委員児童委員推薦協議会委員



第3回定例会概要 市民要求実現へ

 2022年第3回定例会は、8月24日から9月28日まで開かれました。議案は、2022年度一般会計補正予算4件、2021年度一般会計決算、国保・介護・後期高齢者の各特別会計決算、水道と公共下水道の各事業会計決算、教育委員会委員の任命、人権擁護委員の推薦1件、専決処分承認2件、報告3件と陳情3件を審議しました。日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を星野議員が行い、一般質問には守谷議員が立って、意見書1本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。




前年度水道・公共下水道事業

会計決算に反対

〜県水受水費の問題などを指摘

水道事業の決算について

 宮ヶ瀬系県水の受水費の問題があります。宮ヶ瀬ダム計画に関わる座間市の配分水量の取扱いに関する協定書で県企業庁と座間市長との間で決めた配分水量が日量3万7300立方メートルであり、使用水量と約7倍の開きがありました。当時の本多愛男市長は「受水費は使用した分だけ払えばよい」と繰り返し答弁しましたが、実際はそうなっていません。実際とかけ離れている配分水量の県水受水費の契約について見直すべきです。
 加えて今回は有機フッ素化合物の暫定基準値超過により第三水源を取水停止にして、県水利用を増やした増額分は合計1627万6330円とのことでした。これだけの費用がかかりながらも、汚染原因の特定にむけての対応がされなかったことは問題です。
 管路経年化率と管路更新率について、当該決算年度においては年間3・24キロメートルの水道管敷設替えの更新、管路が増えてきている、耐震化や老朽管敷設替えということでした。今後、水道管の老朽化対策と耐震化を進めるに当たり十分な留保資金もあることをむしろ広報していくべきです。

公共下水道事業会計決算について

 雨水管渠の延長が中原排水区工事だけで100メートルほどでしたが雨水整備率をもっとあげるべきです。3億5826万9322円の純利益になったのでもっと雨水対策工事をできると考えます。雨水管理総合計画をもとにすすめ、河川部分なら県と市上下水道局で、道路排水や冠水対策は道路課と市上下水道局で調整して、雨水公費の原則に基づいてすすめるとの答弁でした。もっと雨水対策を進めるべきです。財政構造上の問題があるわけで、もともとは特別会計だったときに一般会計からの必要な資金援助もしていた事を思い起こして、雨水対策も汚水対策も円滑に事業が進むように地方公営企業のもとでもそういう角度を再検討すべきです。




一般質問

物価高対策で中小業者と農業者への支援を

もりや浩一議員

 水道料金の20%引き下げとプレミアム付商品券事業だけでなく、更なる物価高対策が必要と指摘。コロナ禍前と比べて売上が減少した中小業者への支援金や、農業者への肥料や飼料の価格高騰対策給付金を求めました。環境経済部長から「支援内容によって偏りが生じる可能性があることから、現在、新たな事業者や農業者支援策の予定はありません」との答弁でした。
 また、座間市核兵器廃絶平和都市宣言40周年記念行事と核兵器のない世界にむけて被爆ハマユウの植栽、有機フッ素化合物汚染の対策と水源の代替費用の国庫補助、市民体育館駐車場の有料化撤回、自治会集会所の耐震化、ひばりが丘小学校前歩道橋へのエレベーター設置や交差点の歩車分離などを求めました。



総括質疑

すべての子どもに等しくチャンスを

星野久美子議員

 市内小中学校の児童・生徒が姉妹都市である米国スマーナ市との交流をする国際親善大使になるためには初めからハードル設定があることがわかりました。国際交流事業費についての総括質疑の中、「国際親善大使2期生の募集要領に負担金の定めがあり、派遣に要する一部経費については2分の1を参加者の負担にするとなっている」という旨の答弁からわかりました。この事業において、誰もがひとしく国際親善大使になれる条件が初めから無いということです。児童・生徒が国際親善大使になりたくても、家庭の状況によっては応募すらできない。子どもが外国文化に触れ、将来の可能性に大きく結びつくこのような機会は、等しくあるべきではないでしょうか。




2022年第3回定例会 主な表決結果