2023年10・11月 第267号 第3回定例会議会報告特集


2022年度座間市一般会計決算に反対

駐車場有料化や有機フッ素化合物汚染の対応、給付型奨学金など指摘

 2022年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなかで、24億円余の黒字決算でした。国からの臨時交付金を活用して、水道料金を10月から3月まで半年間20%減免とし、一般会計で負担したことは、日本共産党が求めて実現した事業であり、評価できるものです。また、生ごみ処理機の購入補助の拡充、小児医療費助成制度の所得制限撤廃に向けたシステム改修、小学校給食室へのエアコン設置、市庁舎のエレベーター設備改修など評価できるものもありました。しかし、問題がいくつかありました。
 第一は、国が進めるマイナンバー制度でありながら、歳入合計額は6556万円余、歳出合計額は9240万円余で市費負担額は2684万円余もあることです。そもそもマイナンバー制度は、社会保障給付の削減と国民監視の狙いがあり、マイナンバー制度は廃止すべきです。
 第二は、地下水の有機フッ素化合物汚染の調査は市内6地点で88万円でしたが、もっと多くの地点を調査して原因解明につながる分布状況の把握をすべきだったことです。
 第三は、子育て世帯への臨時交付金が必要な世帯に行き渡ったのか後追い調査をしなかったことです。
 第四は、旭小学校とひばりが丘コミュニティセンターの児童ホームでは国の参酌基準の児童一人あたり1.65平方メートルになりましたが、他の公設児童ホームでは児童一人当たり1.3平方メートルのままだったことです。国の面積基準を満たすとともに公設児童ホーム自体を増やして待機児童解消をすすめるべきです。
 第五は、市民体育館とスカイグリーンパークの駐車場が有料化となったことです。駐車場料金は民間駐車場事業者の収入になり、座間市には年間180万円しか入りません。駐車場料金は無料に戻すべきです。 
 第六は、当該年度、返済が必要な本市の奨学金制度を利用する人はいませんでした。高校の授業料無償の流れや返済不要の奨学金が広がる現在、座間市でも貸し付けでなく給付型奨学金へと見直すべきです。以上のことから一般会計決算に反対しました。

小学校給食調理室のエアコン(座間市提供)




市民の願いの陳情が全会一致で採択!

 今定例会に出された「座間市の正規保育士採用年齢要件を拡大することを求める陳情」が 全会一致で採択されました。この陳情は「座間市の正規保育士採用年齢要件は現行40歳までだが、採用年齢をもっと拡大し保育士を確保できれば、待機児童数を減らすことにもつながる」とし、採用年齢要件の拡大を座間市に対して求めています。また、「小学校給食の無償化を求める陳情」も全会一致で採択されました。座間市議会では2022年第4回定例会で「学校給食費の無償化を求める意見書」を全会一致で採択し、国へ意見書として提出していますが、今回は座間市に対しての陳情が採択されました。当局は、市民の意見、そして議会の採択を尊重し、早急に給食無償化を進めるべきです。




調査特別委員会最終報告

 「座間市立市民文化会館の適正ではない使用に関する調査特別委員会」は今定例会で最終調査報告を行い、その役目を終えました。委員会では市民文化会館の不適正性利用に関して、「1.事実関係の明確化」「2.原因究明」「3. 再発防止策等の調査・研究」を基本方針に調査を進めてきたなか、少なくとも2件の適正ではない使用が明らかになりました。不適正使用は、ハーモニーホール小ホールの楽屋を利用した2021年5月11日、2020年12月11日の、市民文化会館の指定管理者である「座間市スポーツ・文化振興財団」理事による申込書の虚偽記載による使用です。
 不適正使用発生の原因は、財団の一部職員が、遠藤前市長に対し、条例・規則に反し、便宜を図ったことによるものと思われます。遠藤前市長は条例・規則に反する依頼を行い、財団の一部職員による便宜に対して、何も疑問を持たなかったことも問題です。さらに、財団の内部における統制機能が働かなかった点も、今回の問題の一因と思われます。財団における理事職を含むコンプライアンスの徹底が求められます。2件の不適正使用は、どちらも前市長からの依頼によるものでしたが、本市の条例・規則に基づき、財団職員はそのような依頼には応じられない旨を明確に伝えるべきでした。ハーモニーホールは、本市の公共施設であり、市民の共有財産です。その利用は、本市の条例・規則に基づいた公平・公正な運営が求められており、再発防止が求められます。今後は市長及び教育委員会は、ハーモニーホール座間の指定管理者である財団を適正に評価するために、本市の条例・規則に基づいた運営がなされているか、管理監督していくべきでしょう。




日本共産党市議団

もりや浩一

もりや浩一(団長)

民生教育常任委員
議会運営委員
二ツ塚線建設協議会委員
市史編さん審議会委員
星野くみ子

星野くみ子

都市環境常任委員
議会だより編集委員
議会報告会開催委員
基地政策特別委員会副委員長
高座清掃施設組合議会議員



第3回定例会概要 市民要求実現へ奮闘

 2023年第3回定例会は、8月29日から9月29日まで開かれました。議案は、2022年度一般会計決算、国保・介護・後期高齢者の各特別会計決算、水道と公共下水道の各事業会計決算、2023年度一般会計補正予算2件、条例4件などと請願1件、陳情10件を審議しました。日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を守谷議員が行い、一般質問には守谷、星野両議員が立ち、意見書1本を提出し、市民要求実現のために奮闘しました。




政党機関紙の勧誘自粛や調査は許されない

  「政党機関紙の庁舎内勧誘行為の自粛と調査を求める陳情」に対して下記の点から党市議団は反対しました。本陳情の参考資料に反社会的カルト集団である旧統一協会関連の世界日報があり、このような旧統一協会の動きに座間市議会が加担してよいのかということが問われます。陳情では、庁舎の執務室内で政党機関紙の勧誘・配達・集金が行われないように求めていますが、機関紙の配達集金は正当な政治活動で制限を加えるのは許されません。
 また、政治的中立性への疑念を払拭するために自主的に購読を希望する者は自宅を配達先とするよう求めていますが、政党機関紙をどこで購読するかは個人の自由であり、「行政の中立性」とは住民に公正中立の立場で携わることであって、個々の職員がどの政党機関紙を購読するかとは関係ありません。また、政党機関紙の勧誘の際に心理的な圧力を感じたりしたという実態がないのか職員に調査・確認を求めていますが、日本国憲法第19条で「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と規定があり、職員への調査は憲法違反の許されない行為と指摘しました。
 しかし、本陳情は賛成多数で採択されました。




公共施設は市民の財産

公立保育園や市民プールを減らして良いのか?

 今定例会に提出された「座間市立保育所設置条例の一部を改正する条例」の内容は市立ちぐさ保育園の廃止です。理由としては、園舎の老朽化及び待機児童問題解決のため民間活力を利用するというものですが、党市議団は民間保育園は利益優先になることは否めないことや、保育の質の低下、安定した保育の提供等も懸念されることから、反対しました。
 「座間市立スポーツ施設条例の一部を改正する条例」は栗原プールを老朽化を理由に廃止するものです。座間市のプールは学校プールではなく社会体育施設プールです。子どもも大人も利用できるプールの修繕費用の見積もりは1800万円であり、市民が住むエリアの、市民のためのプールを廃止することに反対しました。




一般質問

公共施設と学校の断熱化、平和行政など

もりや浩一議員

 気候危機打開と地域業者の仕事おこしにつながるよう公共施設と学校の断熱化を求めました。教育部長から「学校施設の断熱化は、空調が効きやすくなる等、学習環境の向上のほか、環境負荷低減にもつながるものであるため、建て替え等を行う際に検討する」という答弁でした。
 また、有機フッ素化合物汚染の地下水調査地点の増加、活性炭フィルターによる汚染対策、キャンプ座間の兵員宿舎建設や管理棟修繕と横浜ノース・ドックへの揚陸艇部隊配備との関係、オスプレイのクラッチの不具合を指摘した事故報告書の受け止め、核抑止論でなく核兵器禁止条約参加を国に求めること、関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件を風化させない平和行政などを質問しました。



一般質問

一問一答方式で深まる議論

星野久美子議員

 今定例会の一般質問は試験的に「一問一答方式」が取り入れられ、議論を深めることができたと感じました。私は(1)マイナンバーカードと健康保険証の一体化について(2)加齢性難聴者への補聴器購入補助について(3)JR相模線入谷駅利用者の安全対策について、質問しました。(1)では現在のマイナンバーカードには多くの問題があり、このままでは「保険税を払っているのに無保険状態」の市民が出てくる可能性があると指摘しました。(2)では高齢者のQOL(生活の質)向上のためにも補聴器購入助成を求めました。(3)では入谷駅入り口通路の危険性を指摘し、市ができるところは早急な対策を取り、JRとも交渉を進めるよう求めました。




2023年第3回定例会 主な表決結果