2001年7月 第183号 2001年6月議会報告特集



涼を求めて――相模川座架依橋付近

日本経済の危機打開へ
“消費税3%に引き下げ” 共産党の言うとおり
党市議団、商工会三役らと会談
 いま日本経済は、深刻な危機に直面しています。日本経済の六割を占める個人消費は、93年以来8年連続で減り続け→企業の生産縮小→リストラ・所得の減少→消費・需要の落ち込みの悪循環(デフレスパイラル)になっています。小泉首相は「不良債権を二〜三年で最終処理をすること」を対米公約としました。今でも三百五十万人近い完全失業者がいるというのに、もしこのことが強行されるなら、中小企業の二十万〜三十万社を倒産に追いやり、あらたに百万人を越える失業者が生まれると言われています。これでは、とても景気回復などにはなりません。
 日本共産党は、(1)消費税を緊急に3%に引き下げ、国民の購買力を直接応援する。(2)社会保障の連続改悪を凍結し将来不安をなくす。(3)リストラをおさえ、中小企業を支援する政治で雇用危機を打開する。以上、三つの分野での転換を緊急の経済対策として提案し、その実現のために取りくんでいます。
 その一環として党市議団は五月に、市商工会の小多喜会長ら三役、JA座間支店長、工業会会長、市内建設業者らと会談し三つの提案を行いました。
 市内商工業者のおかれている不況下の状況を話し合う中で「共産党の言うとおりだ」「全く同感だ」との賛意が表明されました。を注視しながら引き続き市政の浄化に取り組んでいきたい」と党の立場を表明しています。

大阪・池田小学校殺傷事件に学んで
学校の安全管理対策を
 大阪の池田小学校で起きた多くの児童殺傷事件は全国の親たちに大きな恐怖と不安をもたらしました。
 座間市議会では、日本共産党柏木議員の要請により教育福祉常任委員会協議会を開き、教育長より学校の安全管理についてどのような対策をとるのか説明を求めました。
 また、保育園の対策も充分行うよう要請しました。
 さらに学校長会を至急開催し対策するようもとめたのに対し、これから行うとの回答がありました。その後議員団で校長会において話し合われた内容について、教育長より説明がありました.
 教育委員会としては学校開放が進んでいることから、すべてを閉ざすということではなく、訪問者に記名をしてもらうことや、校門など設備上のことは、写真を撮ったりして改善できることから手を尽くしていくとのことでした。

教科書採択は現場教師などの意見の反映を
「つくる会」主導の陳情書、全会一致で不採択
 教科書採択について、「つくる会」主導の陳情書が全会一致で不採択になりました。
 日本共産党柏木議員はこのことにつき反対の立場を明らかにし、討論を行いました。討論の趣旨は次のとうりです。
 教科書の採択については、 
1 学習指導要領に沿って行うのではなく教育基本法の理念に合致し、国際的にも配慮されていること。
2 教育委員会主導の選択ではなく、各学校教育現場の意見を重視し多くの保護者・住民の意見集約をすること。
3 そのためにも教科書展示会場を増やし、時間も延長して多くの住民が閲覧できる条件。
4 採択のあり方についてはその理由討論の内容、過程の状況を公開するとともに保護者や住民の十分な理解の中で進めること。    
以上

傍聴の目
 市民経済常任委員会を傍聴。
 ビシッとしていない態度にビックリ。共産党がいない常任委員会だからかなとも思ったり……。
 ごみ問題で市民のモラルを問題にしていたが、まじめに取りくんでいる市民もいることを忘れてほしくない。 (立野台 ・ I)
 傍聴に行くと市議会が身近に感じる。 一人一人の議員の態度、市民の要求にどれくらい真剣に取り組んでいるかもよくわかるその結果共産党の議員が、やっぱり一番頼れると感じた。
 傍聴は市民一人一人が市政に関心を持つ一歩となると思った。 (広野台・T)
 6月14日教育・福祉常任委員会を傍聴させていただいた。
 厳粛な雰囲気の中、淡々と進行されていましたが、活発な意見が飛び交うところを想像していたので少し残念でした。また現場の意見が届いていないことも感じました。ぜひ市民の生の声を聞いて、もっと市政に反映させてほしいです。(小松原・O)



6月議会での日本共産党一般質問

6月議会の概要
 六月定例座間市議会は六月四日から六月二二日までの会期で開かれました。議案は一般会計補正予算案など八件、報告八件、請願、陳情等です。党市議団は土地・開発公社、スポーツ・文化振興財団の経営状況の報告に対する質疑を中沢議員が行い、一般質問には柏木、菊川、中沢の三議員がそろって立ち、市政全般に対する質問を行いました。請願や陳情に対する討論は柏木議員が行いました。

一般質問 柏木いく子
子育て支援について
 少子化の進む中、子育て支援を強めることは急務です。
 乳幼児医療費無料化の年齢を引き上げをもとめることと合わせ、老朽化した公立保育園を建て替え、待機児を解消すること、児童ホームを中原小地域に設置し待機児解消することまた、ひばり・小松原児童館の建て替えは、コミセン優先ではなく児童館機能を確保し、大人と子供が融和できる施設にすることなどを求めると同時に、座間小学校の近くにプールを建設し、授業の時が、十分に取る事ができるようにと、取り上げました。

一般質問 菊川ユリ子
ゴミ問題を問う
一、ダイオキシン類などの環境問題について
 (1) 環境庁が平成十年に行なったダイオキシン類の測定で、市内の大気・土壌の数値が全国の中でもワースト10に入っており、その改善と今後の取組みについて
 (2) 近隣市の産廃焼却場からくる煙や悪臭に対し健康被害の不安から市民を守る取組みを。
 (3) 容器包装リサイクル法、家電リサイクル法の製造者責任の抜け穴を指摘するとともに、プラスチックごみ、紙ごみの回収日を増やすよう求めました。
二、相武台前駅南口周辺の道路が狭く、歩行者の安全対策を早急に行なうよう求めました。市側は、地元との話し合いを引続きすすめ努力すると答えました。
三、審議会などへの女性の登用率の引上げなど男女共同参画問題についても質問しました。

一般質問 中沢 邦雄
一、「小泉流」改革と地方自治体について…地方交付税削減の動きと問題点について。
二、「公共工事の入札契約の適正化促進法」と中小業者対策について。
 (1) 入札契約の透明性・公正な競争・適正な施行・不正行為の防止の具体策。
 (2) 中小建設業者の育成策。
 (3) 建設国保への助成増大を。
 (4) 土建組合員の「木工教室」への援助を。
三、介護保険事業について。
 (1) 事業が一年経過その実態と問題、改善点について。
 (2) 在宅サービスの低利用率。
 (3) 待機者急増の特養老人ホーム増設について。
四、市長の政治姿勢について…市課長ら脱税関与問題の関係者の刑事告発と市長の政治責任について。

「ごみリサイクル」政策など
党市議団発議の意見書二本採択
 六月二十二日の最終本会議で意見書などの採択が行われました。
 党市議団が発議した「乳幼児医療費助成事業の国による制度化を求める意見書」は全会一致で、「製造者責任を明確にしたごみリサイクル政策を求める」国への意見書は賛成多数で各々可決されました。
 一方「地方交付税削減に反対する意見書」は賛成少数で否決されました。
 また党市議団も共同提出者となった小泉首相の靖国神公式参拝に反対する意見書は7月2日の臨時議会で賛成少数で否決されました。
 賛成は共産、市民、公明、ネットの10人、反対は保守9人と無所属1人、市政クラブ1人の11人、社民・民主の議員が退場し賛成に加わらなかったことに対して、「言ってることとやってることが違う」との批判の声が市民の間から起こっています。

国の責任で乳幼児医療費無料化を
党発議の意見書採択される
 乳幼児医療費の無料制度は、子育て中の家庭にとっては切実な願いです。乳幼児医療費無料化については、国の責任で行うことが望ましいと、日本共産党市議団では国に対し「乳幼児医療費助成事業の国による制度化を求める意見書」を発議、全会一致で可決しました。
 全国の自治体では国の制度の不充分さをカバーする立場で、母親たちの願いを背景に無料化の年齢を引き上げています。しかし神奈川は0歳のみと大変遅れています。中でも座間市は、以前3歳まで無料だった医療費の年齢を引き下げ今では0歳のみです。引き下げた年齢をとりあえずもとの3歳まで引き上げ、子育て真っ最中の家庭に朗報をと、市長に求めたところ、「やらないと言っていません」と答弁しました。
 近隣他市の状況を見ると、厚木市は3歳まで、綾瀬・海老名・伊勢原・相模原の各市は2歳まで大和市は1歳までが無料です。




介護保険一年たって
高い保険料・低利用の在宅、老人ホーム待機者急増
 介護保険制度がスタートして一年がたちました。この六月には保険料の納付書が送られて、その負担の重さにあらためて驚かされている人も多いと思います。
 特に、65才以上の方は年金から天引きされ、月額一万五千円以下の人でも直接納めるなど大変です。すでに、半年間で一割を超える人が滞納しています。そして、収入の無い人でもこの十月から二倍の保険料になるからなおさらです。一方、サービスの利用状況はどうか。在宅サービスは座間市の場合、要介護認定者の51・5%にとどまっています。県段階でも在宅の利用は低調で訪問リハビリテーションの21%を筆頭に、訪問介護66%、訪問入浴71%、訪問看護52%、通所介護68%、短期入所生活介護46%となり、いずれも低い利用率にとどまっています。
 施設の方はどうか。特養老人ホームは、施設不足が深刻で待機者が急増しています。座間市の場合この一年間で100人以上も増え現在では130人を越えています。全国的にも七万人から二〇万人と待機者が増え続け「保険あって介護無し」の契約違反の状態が全国的に起こっています。介護保険制度は「在宅を中心にみんなで支え合う主旨」だと言われましたが実態は全く逆になっています。「誰でも安心して頼れる介護保険制度にしていく為に、税と保険を組み合せ、低所得者の保険料、利用料の減免を国と自治体の責任で行うよう共産党は一貫して要求しています。
 また、老人ホームの建設は財政支援など国の責任がやはり重要だと考えています。