2003年4月 第190号 2003年3月議会報告特集


座間市議会が決議
イラク戦争即時中止
日本の基地を使うな
 座間市議会は、第一回定例議会の最終日、三月二十四日、日本共産党市議団などの提出した米・英のイラク戦争に反対する二つの決議を賛成多数で可決し、小泉首相をはじめ政府機関、米英大使館に送付しました。

 「イラク攻撃に反対し国内の米軍基地を戦争の出撃拠点に使用しないよう求める決議は、日本共産党が提出し、市政クラブ、市民の党、無所属の十二人が賛成し、可決しました。反対したのは政和会、自民明政会の六人で、公明党は退場しました。
 決議は、米英によるイラク攻撃は「戦争に反対し、平和を願う圧倒的な国際世論に背を向けるものであり、断じて許されない」と厳しく批判しています。
 そして、国内の米軍基地が「自衛のためでもなく、国連決議もない戦争の出撃拠点として使われること」になれば「厚木基地における爆音被害も計り知れない」として、日本政府と米軍に対してイラク攻撃の出撃拠点として使わないよう強く求めています。「イラク戦争の即時中止を求める決議」は、九対六の賛成多数で可決しましたが、公明党はこれにも退場しました。

宮ヶ瀬系県水受水費が圧迫
市の水道会計がピンチ!!
 二〇〇三年度市水道会計予算では、供給単価が一?当たり百十七円七銭、給水原価が百三十二円五十三銭で、各家庭に一?給水するごとに十五円四十六銭赤字になるとしています。一年間で約二億二千万円の赤字ということになります。
 この赤字の原因が、宮ヶ瀬ダムからの県水受水を日量二万三千?(実際に使うのは六千二百?余)として受水費を払うからです。
 この受水費が、今年度約三億九千三百万円余、宮ヶ瀬系県水導入前の二〇〇一年度に比べて約四・四倍にもなっているのです。
 市はこの赤字分は、今年度内部留保資金で賄うとしています。しかし、二〇〇七年度以降は、日量三万七千五百?となり受水費も約五億五千八百万円余で水道会計は完全にパンクします。従って、党市議団は、ダムの建設費の負担を水道料金に求めるのではなく一般会計でもちつつも県との基本協定の見直しをすべきだと主張しています。
 宮ヶ瀬ダムは一九七八年から建設されましたが、その時点で神奈川の水は余っており、水道のためのダムは必要なかったものです。
 日本共産党は、当時から無駄なダム建設費が水道料金として県民の負担になるとして、県議会でも市議会でも宮ヶ瀬ダムの建設に反対してきた唯一の政党です。

介護保険料の引き上げやめよ
支払基金の有効的活用を

 介護保険を導入する時は「介護はみんなで荷なう」ということで公費で二分の一、国民が二分の一の費用を負担することになっていました。
 ところが、〇三年度の介護保険会計を見ますと、国が二五%もつべきところ二〇%しか負担してなく、県が十二・五%のところ十一・五%、六十五歳以上の人は十七%のところ二〇・六六%、市は十二・五%のところ十七・八二%です。これでは国や県が本来持つべき分を、六十五歳以上の人と市が負担させられていることになっています。これは、介護保険導入時の約束違反であり大きな問題です。
 今回介護保険料の改定にあたり、市が五段階を六段階にしたことは評価できますが、すべての所得階層で値上げになっています。
 これは、支払基金の一億七千万円を使えば値上げしなくても済むのに、そうしなかったことは重大です。保険料の滞納者は三〇六人(〇二年八月現在)おり、また施設整備も追いつかず、老人ホームの待機者は二七六人(〇二年度十月現在)と増えています。
 保険料を払って、さらに利用するたびにお金をとられる。その上老人ホームは必要な時に入所できない。こんな制度でいいのでしょうか。保険料や利用料の実効ある減免制度とともに、施設の増設が急務です。





傍聴の目
 本会議最終日の午後に傍聴しました。この討論が終わると、30人学級の早期実現、健保三割負担増の凍結など市民生活に深いかかわりある議案の採択があって、傍聴にたくさん参加していました午後最初の討論は菊川議員、きめ細かく各議案の問題点を指摘し、その解決案を示すものでした。このあと公明党の宮沢議員と市政クラブの木村議員が賛成討論。その内容は、予算案の二・五%増は積極予算だ、介護保険の六段階化、小児医療の24時間体制実施、ベルホームの百床増設など実施面だけの評価に終始しましたしかし共産党の菊川議員は、その予算の使われ方が市民にとって前進的なものは賛成し、逆に問題があるものには反対。予算についての考え方が、市民の目にもよく理解できる討論でした最後の議員提案による「イラク攻撃に日本の基地を使うな」という、多くの国民の願いである平和的解決に、公明党議員は退席。提案は賛成多数で可決されました。
(立野台在住・S生)



市民生活を守る市政を求める
日本共産党議員団の取り組み

3月議会の概要
 3月定例議会は、2月26日から3月24日まで開かれ、一般会計予算など42議案と陳情などを審議しました。2003年度一般会計予算は、310億1700万円(前年当初比2.4%増)。国保、老人保健、公共下水、水道、介護保険の五特別会計を含む当初予算総額は576億3221万円(同2.5%増)。日本共産党は、42議案中10議案に反対し、32議案に賛成。決議など議員提案12件すべてに賛成。陳情は、9件に賛成。4件は継続となりました。
 総括質疑を中澤邦雄議員が、討論は菊川ユリ子議員が、一般質問は中澤邦雄・柏木育子議員がそれぞれ行いました。

二〇〇三年度 座間市予算の特徴

 市予算は、一般会計が三百十億千七百万円(前年度比二・四%増、市民一人当たり約二十四万六千円になります)で、国民健康保険、老人保険、下水道、介護保険の四特別会計の総額は二三五億四千四百万円(二・六%増)、水道会計は二十億七千万円(二・九%増)。
 総額は五七六億三千二百万円(二・五%増、市民一人当たり四十五万七千二百円余)となります。
 一般会計の歳入は、個人市民税が前年度比一・六%減るなど市税全体で約一六一億七千円(二・二六%減)です。
 この市税減は、財政調整基金から約七億五千万円を繰り入れ、市債も同三一・一%増の約二六億三千万円発行するなどで補った形である。
 歳出では、土木費が前年度比十六%増の三九億九千万円、民生費は六%増の八六億五千万円、衛生費が七・二%増の三七億九千万円となっている。市債残高は今年度末で〇・六%減の三〇八億二千万円で市民一人当たり約二四万四千円となります。

一般質問
介護保険と交通安全対策
柏木 育子
 政府は介護保険導入三年を迎え、見直しを行いました。この見直しを受け座間市は、保険料を六段階にしました。利用料も高齢福祉年金受給者(対象者七名)の利用料を3%にするとしています。
 一定の評価はするものの、所得が二五〇万以上六〇〇万円の人が二二六〇円の負担増で、同じ5段階の所得二〇〇万〜二五〇万円の人は4段階から上がったため、一一二六〇円の負担増となります。低所得者に大幅な負担増になります。給付費支払基金を取り崩し、どの段階の保険料も値上げせず、さらに同二〇〇万〜二五〇万円の人たちに対し、特段の手を講じるなど、介護保険制度全般について質問をしました。さらに、座間立体開通後と、ひょろげん坂の交通安全対策についても質問しました。


市長の政治姿勢を問う
中澤 邦雄
 イラクへの米英攻撃、道理のない戦争にキャンプ座間や厚木基地を出撃基地として使わせないこと。第三次厚木騒音訴訟の判決にもとづく、飛行差し止めや損害賠償を求めるなど騒音対策の取り組みを。
 高座清掃施設組合のダイオキシン対策が不十分で二回に亘る県の改善勧告が出された管理責任と万全な改善を。
 健保本人三割負担と診療抑制、国保の短期保険証の実態と資格証明証の問題、国庫補助の復元と薬剤費にメスを入れ国保会計の健全化を。建設国保の事務補助を他市並みに増額を。
 政治とカネの問題、公共事業受注者や赤字企業からの献金を受け取らないこと。等々市長の所見を求めた。

身辺な福祉の切り捨て
市民の願いに背を向けた予算

菊川ユリ子議員の反対討論(要旨)

 健保の本人三割負担、介護保険料の値上げなど、国が悪政をすすめている中で、地方自治体は住民を守る防波堤となる必要があります。しかし、〇三年度予算はそのようになっていません。
 具体的には、座間市でも介護保険料の値上げや、高齢者、障害者の市独自の福祉施策を切り捨て、市民の願いである三〇人学級の実現などに背を向けた予算となっています。
 自治体が国の基準以上の仕事や、独自の施策を実施しないことは自治体の存在意義を否定するものであるとして、党は〇三年度予算に反対しました。
 市の提案に対して具体的には、(1)障害者、高齢者の理美容助成の改悪、(2)身障者の入浴サービスの削減、(3)保育園の待機児解消の問題、(4)小児医療無料制度の所得制限を撤廃すべきこと、(5)行政の住基ネット利用拡大に反対、(6)緊急地域雇用創出交付金を全額活用し、雇用対策の拡充を、(7)水道部庁舎使用料をとることの不当性(8)教育費などの国庫支出金の増額を国に求めること、(9)学校の耐震化やトイレの改修など施設整備の促進を、(10)学校教材や学校図書の整備の充実をはかれ、(11)介護保険料の値上げ問題(別記)、(12)水道問題(別記)などです。


主な条例・決議・意見書陳情の採択結果
2003年3月議会
件  名
共産党
政和会
市政クラブ
公明党
市民の党
自民明政
ネット
可否
座間市住民基本台帳カードの利用に関する条例などを含む住基ネット関連3条例
座間市の地下水を保全する条例の一部を改正する条例
※イラク攻撃に反対し、国内の米軍基地を戦争の出撃拠点に使用しないよう求める決議
イラク戦争の即時中止を求める決議
○2
△3
※政党交付金を廃止し、その財源を国民生活に役立つよう振り返ることを求める意見書
深刻化する教育問題を打開するため、30人学級の早期実現を求める陳情
●3
△2
少人数学級または副担任制実現を求める陳情
健康保険3割など負担増の凍結を求める陳情
●3
△2
親と子の工作教室への予算措置を求める陳情
座間市立保育園保育施策の充実を求める陳情
※共産党提出議案 ○賛成 ●反対

2003年度の主な施策(単位:千円)
ベルホーム建設補助(100床)
230,469
シルバーハウジングへ生活援助者の派遣
842
介護保険低所得者対策事業費
5,411
障害者支援事業
338,377
公立保育園の延長保育の実施
21,197
救急医療体制の充実(内科・小児科)
81,176
広域二次救急医療に小児科医を常に配置
99,752
地下水保全システム整備・運用事業費
799
リサイクルプラザ建設事業費
183,893