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座間市民新聞 2024年4・5月 第269号 第1回定例会議会報告特集

物価高騰から暮らしを守るべき
2024年度一般会計予算に反対

 2024年度座間市一般会計予算は463億8961万4千円で、前年度比4.3%、18億9926万1千円の増額となりました。本予算には、ヤングケアラーの支援を含めた子育て世帯等訪問支援事業、コミュニティバス運行事業費でバスロケーションシステムと乗降客カウントシステムを導入して利用者の利便性向上を図ることなど評価できる点もありましたが、問題点もありました。
 まず、従来の健康保険証を廃止してマイナンバーカードを健康保険証として運用する、マイナンバーカードを押しつける政策が強化されていることは大きな問題です。そもそもマイナンバー制度は、社会保障の給付削減と税や保険料の徴収の強化、そして政府が国民の監視を進める狙いがあり、問題のあるマイナンバー制度は廃止すべきです。
 次に、有機フッ素化合物汚染への対応が十分でないことです。地下水汚染対策事業費で、調査は6地点ですが、もっと多くの地点を調査し、汚染原因の解明につなげていく必要があります。
 また、住宅リフォーム助成を子育て世帯等に絞り、補助限度額5万円の一般住宅リフォーム助成を廃止するのは問題です。一般住宅リフォーム助成は、2023年度110件の募集に対して申請が176件と需要はありました。一般住宅リフォーム助成制度も継続すべきです。
 次に、市民体育館とスカイグリーンパークの駐車場が有料のままであることです。駐車場料金は民間駐車場事業者の収入になり、座間市には年間180万円しか入りません。ハーモニーホール座間が大規模改修で使えなくなるため2025年の成人式は市民体育館で行われますが、その際でも駐車場は有料とのことであり、市民体育館の駐車場は無料に戻すべきです。
 また、福祉タクシー事業費ではバス回数券支給がなくなるので減額しています。福祉タクシー券が年額12000円のままですが、もっと増やし市民に寄り添う事業にすることが必要です。
 これらのことから一般会計当初予算に反対しました。

公立から民間に移管したちぐさ保育園

公立から民間に移管したちぐさ保育園

 

国民健康保険税と介護保険料の値上げは問題

 国民健康保険税がこの4月から値上げされます。日本共産党は値上げに反対しましたが賛成多数で可決しました。2027年度に神奈川県内は医療費水準を納付金へ反映させない統一の標準保険料になるため、座間市は県の標準保険料率との乖離を半分にするとして値上げしました。医療給付費分、後期高齢者支援金分、介護納付金分を合わせて、所得割が10.5%から11.9%に、均等割が42900円から49800円に、平等割は31500円から32800円に値上げです。今でさえ高すぎる国保税をさらに値上げするのは問題であり、国保税の子どもの均等割額を免除するなど少しでも市民負担を軽減すべきと指摘しました。
 介護保険料も4月から値上げされます。基準額が第8期の年間66000円から第9期の70300円へ値上げとなります。今回、介護保険料の所得階層区分を国の示す13段階よりも多く、座間市は20段階にしました。しかし、所得1400万円以上は同じ保険料であり、低所得者の負担をより軽減して、高所得であるほど負担率が低くなる状況を変えていかなければなりません。

 

新規・拡充された事業

・教育相談事業【不登校児童・生徒の居場所づくり】追加 1758万円
・小児医療費助成事業【18歳以下、所得制限無し】継続 6億78万5千円
・保育業務支援システム導入事業費【市立保育園にシステムを導入し、保護者の利便性を向上】新規 2206万2千円
・次世代育成支援総合事業費【1歳未満児やヤングケアラーのいる世帯等の家事支援】拡充 1630万6千円
・広域救急医療事業費【二次救急医療機関のコメディカル体制の強化】拡充 1億7843万1千円
・コミュニティバス運行事業費【バスロケーションシステム、乗降客カウントシステムの導入】拡充 1億3301万円
・高齢者健康促進事業費【高齢者の保健事業と介護予防を合わせた事業】継続818万1千円
・保育所子ども・子育て支援事業【保育所利用世帯の負担軽減】継続 29億1309万円
・ファシリティマネジメント推進事業費【包括施設管理業務委託の開始、公共施設再整備計画の見直し】新規・拡充 8億539万1千円
・公園等管理運営費【スカイグリーンパーク・大坂台公園に指定管理者制度を導入】新規・拡充 2億7184万9千円

 

第一回定例会概要 市民要求実現へ奮闘

 2024年第1回定例会は、2月22日から3月25日まで開かれました。議案は、2023年度一般会計・特別会計・下水道事業会計補正予算7件、2024年度一般会計・特別会計・上下水道事業会計当初予算6件、条例改正10件、訴えの提起1件、人権擁護委員の推薦1件、財産の取得2件、陳情5件を審議しました。日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑と討論を守谷議員が行い、一般質問には守谷、星野両議員が立ち、意見書を2本提出し、市民要求実現のために奮闘しました。

 

座間市公園条例改悪
~利用料は市を飛び越えていってしまう

 今定例会で「座間市都市公園条例の一部を改正する条例」が提出されました。これは、2023年第三回定例会でスカイグリーンパークと大坂台公園が指定管理者の指定が決定したことに伴い、本年4月から指定管理制度が開始されるにあたり、施設の利用料金を全額指定管理者の収入へと変更するものです。当局は「スカイグリーンパークも大坂台公園も利用率が伸び悩んでいる。利用料金を指定管理者の収入にすることによって、事業者側の意欲向上につながり、利用率を高めることにつながる」としていますが、仮に利用率が向上しても、利用料金は一切座間市の収入とはなりません。また、著名なスポーツ選手を招いてのイベント企画をするなどして、利用率、認知度の向上を図る、ともしていますが、そのイベントの参加費などは指定管理者が決めるので、歯止めがかからず、市民の負担増につながる懸念もあります。前述した昨年第三回定例会での指定管理制度の審議時には、当該の利用料についての言及はありませんでした。党市議団はこの段階で反対をしていましたが、前回も今回も賛成多数で可決されました。公共施設は市民の財産です。市が利用率向上の施策を講じることなく指定管理者に丸投げで良いのかが問われます。

 

誰もが安心して暮らせる社会を求める意見書 不採択

 今定例会で党市議団は「身寄りのない高齢者が身元保証等に頼ることなく安心して安全に暮らせるよう求める意見書」を提出しました。これは、社会のあり方が変化している現在、身寄りがないことによって生まれている不都合の改善を求めたものですが、賛成少数で不採択となりました。
 また、「永住者に対する新たな在留資格取り消し制度の導入に反対し、真の意味での共生に向けた施策の立案、実施を求める意見書」を提出しました。これは、「永住者」の在留資格を持つ外国人が、税金や社会保険料等の滞納や、1年以下の懲役・禁錮刑を受けた場合に在留資格の取消しを可能にする法案ではなく、真の共生に向けた施策の立案、実施を求めるものですが、賛成少数で不採択となりました。

 

一般質問
水道料金の再度減免と学校給食の無償化を
もりや浩一議員

 物価高騰から暮らしを守る対策について、市民から大変喜ばれている水道料金の減免を3月末で終了後に再び実施すべきではと市長に質問しました。市長から「現状では再度実施する考えはありません」との答弁でした。
 また、物価高騰対策としても、義務教育は無償と定めた憲法第26条からも学校給食の無償化を行うべきではと質問しました。教育長から「国が全国一斉に学校給食無償化を行うべきものと考えています」との答弁でした。
 このほか、肥料代や飼料代の高騰の影響を受ける市内農家への支援、学校教材費の無償化、有機フッ素化合物汚染の地下水調査地点の増加、本年6月に製造・輸入禁止対象に追加されるPFHxSについての対応などを求めました。

 

一般質問
市民の願いを託されて
星野久美子議員

 今定例会で以下の4点について質しました。
(1)基地行政=①「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律」に関し、キャンプ座間が特別注視区域の指定を受けることについての本市の受け止め②市内中学校での「職業講話」に自衛隊が参加、海上自衛隊において職業体験がされたことについて、今の自衛隊の正しい姿を生徒たちは理解しているか
(2)「全ての子どもが安心できる居場所=発達障害のあるこどもへの支援内容や目的、効果等
(3)小・中学校の女子トイレに生理用品の設置を=教育長の答弁は「進めていく」とのこと!
(4)学校体育館へのエアコン設置=災害時の避難所にもなることから、設置を求めました。

 

2024年第1回定例会 主な表決結果